研究課題/領域番号 |
23K01693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加賀谷 哲之 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80323913)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 知的財産 / 無形資産 / 非財務情報開示 / サステナビリティ開示 / コーポレートガバナンス / 知財・無形資産ガバナンスガイドライン / 非財務情報 |
研究開始時の研究の概要 |
日本企業は知的財産・無形資産への投資が消極的であり、それらが企業の持続的な成長に大きな影響を与えていると指摘されている。そうした現状の変化を促すべく、さまざまなガイドラインが公表されているが、その代表的なものの一つが、「知財・無形資産ガバナンス・ガイドライン」である。本研究では、同ガイドラインの公表を通じて、企業の知財・無形資産の投資・運用をめぐる開示やガバナンスの実態がいかに変化したか、さらにはそれらが企業の評価や投資行動に影響を与えているかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、大きく以下の3つの取り組みを進めた。 ①知財・無形資産をめぐる開示やガバナンス、その評価にかかわる先行研究をまとめ、その研究課題や将来の研究の方向性について整理した。当該成果については、2024年に出版予定である中野誠・加賀谷哲之・河内山拓磨編著『財務・非財務報告のアカデミック・エビデンス』(中央経済社)に所収される予定である。 ②知財・無形資産をめぐる開示の中で、特に重要性が高まっているサステナビリティ経営の開示や評価にかかわる先行研究をまとめ、その研究課題や将来の研究の方向性について整理した。当該成果については、2024年に出版予定である中野誠・加賀谷哲之・河内山拓磨編著『財務・非財務報告のアカデミック・エビデンス』(中央経済社)に所収される予定である。またサステナビリティ開示の一環として、日本における気候変動開示と企業価値との関係性についての実証研究をまとめ、Asia Pacific Conference on International Accounting Issuesという学会に投稿、レビュープロセスを得て、発表の機会をいただき、共著者が発表を行った。 ③①や②などの研究で得た成果を、筆者が委員長をつとめている内閣府「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」や座長をつとめる特許庁「将来価値を起点とした知財経営の実践と開示に関する調査研究」でフィードバックさせていただき、その内容に反映いただいている。なお後者の研究については、「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック」として特許庁のホームぺージに公表されている。 < https://www.jpo.go.jp/support/example/index.html>
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題について、書籍のOne chapterでまとめた成果を外部に公表する機会をいただくなど、順調に研究活動は進展している。またそうした取りまとめについて、知財・無形資産の開示やガバナンスについて検討する内閣府や特許庁の検討会・研究会の場で投資家や担当者、政府の皆様と積極的に討議する機会を持つことで、より理解を深めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には知財・無形資産の開示やガバナンスの現状について、コーポレートガバナンス報告書や統合報告における開示情報などに基づき、整理を行い、投資家や有識者などとの討議を進めてきた。その中で、特に①価値創造ストーリーと知財・無形資産との結びつき、②知財・無形資産が将来財務にいかに結び付くのかの想定ロジック、③②の進捗を定点観測するためのKPIの3点が重要であることが確認されている。2024年度は①~③がどのようなかたちで実践されているのかを実態調査で整理しつつ、それらが企業評価にどのように結びついているかについて、投資家などへのインタビュー調査や定量分析を通じて検討する。 さらに知財・無形資産の開示と企業のサステナビリティ課題との関連についてはこれまで十分に検討されているわけではないものの、重要な経営課題の一つと認識している。開示情報の実態調査にあたっては、そうした点も併せて検討する。
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