研究課題/領域番号 |
23K01696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榎本 正博 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70313921)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 大株主 / 会計情報 / 財務会計 / 利益の質 / コーポレート・ガバナンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は大株主の属性と会計情報の関係を対象とする。具体的には大株主がその介入や退出を背景に、企業のガバナンス構造を通じて会計情報に与える影響を、各大株主の属性とその相互関係を考慮して検討する。また大株主が産業内の複数の企業の株主となっている「共通株主」にも注目する。共通株主は情報処理・監視コストが低減するため効率的な行動が可能になる。その結果として会計情報にどのような変化があるかを共通株主の属性を考慮して検討する。
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研究実績の概要 |
大株主と会計情報について利益の質に注目して先行文献を整理した。そこでは、米国の初期の研究では、機関投資家大株主は経営者に短期的な業績に対する圧力をかけることから利益増加的な利益マネジメントを促進することを支持する結果が観察される。その後の日米の研究では機関投資家が利益の質を高める証拠が提供されている。他の文献とも検討の結果、大株主の属性、国により利益の質に対する影響は様々であった。これらは所有比率による分析と異なるケースもある。なお国際比較研究では、機関投資家大株主は利益の質を高める証拠が提供されている。また複数の大株主(複数大株主)が存在する環境では大株主の属性の組み合わせによって結果が異なっている。例えば同族同士では結託が、属性が異なる大株主間では牽制が観察される。ここから、大株主の属性に着目する重要性を表している。共通株主については概ね利益の質を高めることが報告されている。本稿のレビューでは大株主から様々なルートを通じて財務報告に対し影響がもたらされていることが示されている。 基本的な大株主データに関して、データを整理し概観した。データが比較的現在に近い形で揃う2010年以降のデータを用いると、2010年には1社あたり平均8.21の1%以上を保有する株主が存在し、内部者が6.32、機関投資家は1.80であった。それが2021年には、9.75の1%以上を保有する株主が存在し、内部者が6.06、機関投資家は1.80であった。このように1%以上を保有する大株主は近年増加しつつあることが判明している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時は販売されていた大株主データベースが販売停止になり、代わりのデータベースの選択と契約に時間を要した。さらに大株主データが膨大であるため、データのダウンロードと整理が容易でなかった。そのためやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、大株主と会計情報の検討を進める。
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