研究課題/領域番号 |
23K01711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
中野 雅史 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (20960884)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | AI監査 / AIガバナンス / 雇用の未来 / GPAI / 実験的研究 / インタビュー調査 / Auditing / Accounting / Artificial Intelligent / Future of Employment / Experimental |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の企業経営を取り巻く環境の変化はこれまでにないほどに加速化し、歴史的な転換点に直面しつつある。特に、世界的なCOVID-19の感染拡大は、在宅勤務など社会全体で急速なデジタル化の進展を促し、多くの企業では人口知能(AI)やデジタル・トランスフォーメーション(DX)による業務変革への対応が喫緊の課題となっている。 特に、社会における急速なAIの普及拡大という背景のもとに、企業社会の根幹をなす会計・監査分野の将来的な変容、とりわけAI監査について、多面的・多角的な研究視座から検討を行ったリサーチ・クエスチョンを構築し、実験的アプローチやインタビュー調査等を中心とした研究を行っていく。
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研究実績の概要 |
「Artificial Intelligent(AI) の監査に与える影響に関する実験的研究」は、社会における急速なAIの普及拡大という背景のもとに、企業社会の根幹をなす会計・監査分野の将来的な変容、とりわけAI監査について、多面的・多角的な研究視座から検討を行ったリサーチ・クエスチョンを構築し、実験的アプローチを中心とした研究を行っていくものです。2023年度の主要な研究成果として次の国際的な研究成果をあげております。AIの普及拡大の影響に関する監査分野における雇用の未来の予測に関して知見を得るため、我が国の大手監査法人(Big4)に対してGlobal Partnership on AI(GPAI)のインタビュー調査を実施し、日本人での発表が困難とされる会計・監査分野の世界的な権威であるアメリカ会計学会にて発表を実施しております。 1)“Future of Employment in the Accounting Profession with Artificial Intelligence in Japan,”American Accounting Association, Annual Meeting, Denver 2023. アメリカ会計学会ではAI監査に関する最新の研究の発表があった他、Strategic and Emerging Technologies(SET)に関する多くの最新の研究の状況についての貴重な情報が得られました。ディスカッサンタントのDenizから研究に対する貴重なコメントが得られた他、ModeratorのHarryとの友好的な関係の構築など、発表を通じて今後の研究の発展に資する多くの成果が得られました。また、2024年度のワシントンDCで行われるアメリカ会計学会での発表を目指し、ある大手監査法人と共同研究を行い、会計士を被験者集団としたAIと会計上の見積りに関する実験的研究を実施いたしました。現在、以下の論文をアメリカ会計学会にて審査中です。 2)“An Experimental Study on Artificial Intelligence and Accounting Estimates”
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の計画時点の進め方は下記のとおりです。1)AIの普及拡大によるAI監査への影響を常にアップデートしていくため、文献を中心とした先行研究のレビューを行う。2)AI監査の分野においては、①AIそのもの監査、②AIを利用した監査、③AIと監査分野の雇用の未来等のカテゴリに分類し、監査分野におけるAIの範囲と影響について先行研究をもとに研究の射程を定める。3)①AIそのもの監査においては、内部監査、外部監査による監査基準の策定等、②AIを利用した監査においては、内部統制、倒産予測や不正発見などAIを用いた監査技法について実験的研究を設定していく。4)AI監査に関する研究の射程が定まった後に、具体的なリサーチ・クエスチョンと仮説を構築していく。 5)仮説に対する実験的検証の被験者集団として学生・MTurk等を用いた予備的な実験を行う。6)予備的な実験の結果をふまえた本研究の実験を行う。7)本研究の実験の結果をふまえた考察と将来的な研究課題(監査分野の「雇用の未来」を含む)について確認する 初年度実施予定の1)から5)までについて、ある大手監査法人との共同研究によりAIと会計上の見積りに関する会計士実験を実施しております。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」で記載した本研究の計画時点の進め方に記載した6)が二年度目である本年度の実施事項であるが、すでにその一部として会計士を被験者集団とした実験を実施済みである。しかしながら、2022年11月のChatGPTの一般公開により生成AIによる新たな技術的な変革が社会・企業にどのようなリスクをもたらし、それをどうガバナンスしていけばよいかという大きな社会的な課題をもたらしている。その社会的な課題解決に向けて、AI監査がどうあるべきか、「Artificial Intelligent(AI) の監査に与える影響に関する実験的研究」の重要性がますます高まっている。海外の先進的な研究動向や成果をふまえつつ、あらたなリサーチクエスチョンによる仮説を構築しつつ、将来的な研究課題についての検討を深化させていきたい。
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