研究課題/領域番号 |
23K01714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
石島 隆 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (40368428)
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研究分担者 |
森 雅俊 埼玉学園大学, 経済経営学部, 教授 (30288766)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | キャッシュ・コンバージョン・サイクル / 売掛金・売上高 / 棚卸資産 / 固定資産 / 不正会計 / 開示情報 / 財務情報 / 非財務情報 / 自然言語処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、有価証券報告書等の金融商品取引法に基づく開示情報並びに日本取引所グループ及び企業のWebサイトにおける開示情報等を用いて、企業の不正会計のうち粉飾決算の事例を対象とし、各種の財務情報及び非財務情報(経営戦略、事業リスク、コーポレート・ガバナンス情報など)から不正会計の兆候を識別することを目的としている。これによって、より合理的な投資判断や与信判断に資する企業の情報開示のための知見を得たい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、我が国における企業の不正会計のうち粉飾決算の事例を対象とし、各種の財務情報及び非財務情報から不正会計の兆候を識別することである。まず、基本的な情報として、金融商品取引法に基づく電子開示システム(EDINET)の情報記述ルールと情報取得方法について調査を行った。また、汎用的なデータ分析用のアプリケーションであるALKANOのライセンスを取得し、データ分析のための基盤を整備した。 次に、財務情報の中でキャッシュフロー数値は、粉飾決算に対して堅牢が高く、貸借対照表及び損益計算書の数値には影響が生じるという知見を活用して、粉飾決算によって売上債権や棚卸資産が増加するため、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-仕入債務回転期間)が表面上悪化することを仮説として設定し、特定企業のへの影響を訂正前と訂正後の有価証券報告書に記載された連結財務諸表の数値を用いて検討した。この分析結果では、棚卸資産回転期間への影響が識別されたが、特定の子会社のみで生じたものであったため連結財務諸表全体への影響は顕著なものではなかった。 さらに、過去5年間の粉飾決算事例について、日本取引所グループのWebサイトから「改善報告書徴求理由」、「改善報告書」及び「改善状況報告書」のデータを入手して分析を行い、連結財務諸表のどの科目に影響が生じるかを把握した。この結果、①売掛金・売上高、②棚卸資産、③固定資産の順に件数が多いことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
財務情報の分析のための基本的な情報収集やデータ分析基盤の整備ができ、個別の粉飾決算事例の分析を実施することができたが、粉飾決算事例を網羅的に行うことまでは行うことができなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
財務情報の分析については、粉飾決算事例について、ALKANOを用いて、網羅的な分析を行う予定である。また、粉飾決算事例と比較するために、粉飾決算を行っていない企業群についても網羅的な分析を実施する予定である。 さらに、有価証券報告書における非財務情報の分析については、科研費課題採択前に試行したテキストマイニングによる分析結果を発展させて、記載情報間の共起ネットワーク等の手法による分析を行う予定である。
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