研究課題/領域番号 |
23K01720
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 彩 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30707360)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 寄付 / 動機 / 動機の語彙論 / インタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会において、「寄付」は、どのような意味を持つ行為として理解され、実践されているのか。本研究は、C.W.Mills の「動機の語彙論」を手がかりに、私的な(private)資源を個人や組織が投じる行為でありながら、その帰結として社会的な課題の解決など、公的な(public)目的達成に関わる「寄付」という行動を取り上げ、これを行った個人の語りから、現代における「寄付」の意味を再考するものである。「寄付」を行った個人が、その行為を、どのような経験として他者に語るかに注目することで、現代社会における「寄付」行為の新たなダイナミズムを明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
現代社会において、寄付はどのような意味を持つ行為として理解され、実践されているのか。本研究は、C.W.Mills の「動機の語彙論」を手がかりに、私的な(private)資源を個人や組織が投じる行為でありながら、その帰結として社会的な課題の解決など、公的な(public)目的達成に関わる「寄付」という行動を取り上げ、これを行った個人の語りから、現代における「寄付」の意味を再考するものである。 R5年度は、以下3点を実施した。第一に、動機外在説を唱える「動機の語彙論」を寄付研究に持ち込むことの意義を検討した。国内外の最新関連研究の収集・整理、国内・国際学会での資料収集・ネットワーキング、「動機の語彙論」を寄付以外の行動や事例に援用した研究の調査・収集から、本研究の新規性と独創性を確認し、寄付研究における位置づけを明確にすることができた。 第二に、「動機の語彙論」を理論的観点に、代表者が2019年~2022年に実施した寄付経験に関するインタビューを再分析した。そこから、「言語化されやすい動機」と「言語化にはためらいを伴う動機」の境界線に焦点を当てた分析の可能性を明らかにすることができた。国際学会ARNOVAにて発表し(2023年11月)、手ごたえを得た。 第三に、寄付経験を有する若者へのインタビューを計10件行った。分析を進める中で、先述の境界線を確認すると同時に、境界線を意識したインタビュー質問を検討することの必要性を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R5年度に予定していた作業を概ね実施できた。計画では5件のインタビュー予定していたところ、計10件実施することができた。また国際学会での研究発表を通じて、海外の研究者から共同研究の可能性について打診があり、今後の展開可能性という点においても新たなヒントを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は、以下4点を進める。第一に、R5年度に実施したインタビューのデータ分析を行う。当初予定よりも多くインタビューを実施できたことから、研究補助者とのスムーズな連携を確認しながら、分析を進める予定である。第二に、分析から得られた知見をもとに、さらなるインタビュー対象者を精査すると同時に、「言語化されやすい動機」と「言語化にはためらいを伴う動機」の境界線に迫るインタビューの質問を検討する。第三に、国内学会での研究発表を行い(2024年6月開催学会に採択済)、国内でのフィードバックを得る。第四に、R5年度に執筆した英語論文をジャーナルに投稿する。
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