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不妊治療を受ける「管理職」および「専門職」女性の退職をめぐる実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01745
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関東京大学

研究代表者

寺澤 さやか  東京大学, 社会科学研究所, 特任研究員 (00973372)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード女性就労 / 不妊治療 / 管理職 / 専門的・技術的職業 / ジェンダー / 社会調査 / 就労継続 / 不妊治療と仕事の両立 / 女性の就労 / キャリア形成 / 専門職
研究開始時の研究の概要

本研究は、「不妊治療と仕事の両立」という両立支援の課題が、「育児と仕事の両立」とどのような点で共通し、いかなる点で異なるかを明らかにするものである。申請者によるこれまでの研究では、「管理職」「専門的・技術的職業」という、従来の研究では就労継続しやすいとされた層が、不妊治療中は退職リスクが高くなることが明らかとなった。そこで本研究は、以下の課題を明らかにする。
・不妊治療を受ける「専門的・技術的職業」の女性が、なぜ他の職種と比べて退職リスクが高くなるかを、多変量解析により明らかにする。
・不妊治療を受ける「管理職」の女性が、どのような構造のもとで退職に至るのかを、 混合研究法により明らかにする。

研究実績の概要

本研究の目的は、以下の二点である。第一に、不妊治療を受ける「専門的・技術的職業」の女性が、なぜ他の職種と比べて退職リスクが高くなるかを多変量解析により明らかにすること。そして第二に、不妊治療を受ける「管理職」の女性が、どのような構造で退職に至るのかを、混合研究法により明らかにすることである。
2023年度の実績について、「二次分析の実施」「成果発表」「調査の実施」のそれぞれを、以下に記述する。
はじめに、二次分析の実施について詳述する。既存の社会調査データの二次分析を行ない、不妊治療に関する意識や行動と職種との関連について検証を行った。具体的には、代表者が過去に実施したインターネットモニター調査データおよび、東京大学社会科学研究所SSJデータアーカイブから貸出を受けた「夫婦の出産意識調査,2021」の個票データの二次分析を行い、不妊治療に関して職場で望むサポートと職種との関連等を検証した。
次に、成果報告について記述する。上記に記した二次分析の結果について、英語での成果発信を行なった。具体的には、国際会議(The 19th East Asian Social Policy International Conference)での口頭発表およびディスカッションペーパー(CSRDA Discussion Paper Series)への投稿・掲載という形での成果発信を行なった。
そして最後に、調査の実施について記す。本研究の第一の目的である、「専門的・技術的職業」の女性がなぜ他の職種と比べて退職リスクが高くなるかを検証するためのインターネットモニター調査を実施した。具体的には、就労しながら不妊治療を受けた経験のある女性を対象とし、職種について職業小分類で捉える設計のインターネットモニター調査である。引き続き本調査の分析を進めることで、本研究の第一の課題について進展することが期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗状況を、「おおむね順調に進展している」と自己評価した。その理由は以下の3点である。
第一に、当初より予定していたインターネットモニター調査を実施し、研究課題の推進に不可欠な調査データを取得することができたためである。不妊治療を受ける女性の職種を、職業第分類ではなく職業小分類で捉えたこの調査データは、既存の研究では明らかにすることができなかった課題についての分析を可能とする貴重な調査データである。引き続き、この調査データの分析をすることで、研究課題の進展を期待することができる。
第二に、既存の社会調査データを活用し、二次分析によって有益な分析結果を得ることができたためである。東京大学社会学研究所のSSJデータアーカイブにて公開されている社会調査データの中から、本研究に活用できる変数が含まれる調査データを発見したことで、二次分析が可能となった。この二次分析を通じた分析結果を得ることができたことで、次年度以降の研究の基礎となる知見を明らかにすることができた。
第三に、初年度ではあるが、二つの成果報告をすることができたためである。上記の二次分析の結果について、国際会議(The 19th East Asian Social Policy International Conference)での口頭発表およびディスカッションペーパー(CSRDA Discussion Paper Series)への投稿という形で、いずれも英語での成果発信をすることができた。さらに、国際会議への参加を通して、今後の研究遂行にとって重要なフィードバックを得ることができた。そして、この成果発信を基礎として、次年度以降の論文投稿に繋げることが期待できる。
以上の理由から、現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している」と自己評価した。

今後の研究の推進方策

今後の研究方策について、以下3点に分けて記述する。
第一に、不妊治療を受ける「専門的・技術的職業」の女性の退職リスクについて明らかにするために、初年度に実施したインターネットモニター調査のデータについて、多変量解析を行うことである。具体的には、就労しながら不妊治療を受けた経験のある女性を対象とした調査データについて、職種を説明変数、不妊治療開始後の退職経験の有無を従属変数とした多変量解析を行う。この分析では、使用する調査データにおいて、職種を職業小分類で捉えていることで、「専門的・技術的職業」の中でも、どのような特徴を持つ職業において不妊治療による退職リスクが高くなるかについての検討を行うことが可能となる。
第二に、不妊治療を受ける「管理職」の女性が退職に至る構造を明らかにするための混合研究法を進めることである。具体的には、以下の手順で進める。はじめに、企業規模および業種に基づいて層化抽出した企業を対象として、質問紙調査を実施する。質問紙調査では、女性社員比率や女性管理職比率、両立支援制度の内容や利用率等を把握する。次に、質問紙調査への回答があった企業のうち、約20社において、女性管理職を対象としたインタビュー調査を実施する。インタビュー調査においては、対象者は不妊治療を受けている女性に限定せず、子育てをしているケースを比較しながら、不妊治療を受ける管理職に特有の両立の難しさについて明らかにする。
第三に、上記の研究結果について、国内外の学会での成果報告および論文投稿を行うことである。不妊治療の普及や女性専門職の割合という状況や課題は日本に限定されるものではないが、日本の雇用慣行の中で、日本に特有の不妊治療と女性専門職・管理職との関連がいかに生じているかを明らかにし、労働市場におけるジェンダー平等の推進に資する研究成果を発信する。
以上の3つの推進方策のもと、今後の研究を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The influence of women's occupational status on access to infertility treatment in Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Terazawa
    • 雑誌名

      CSRDA Discussion Paper Series

      巻: 77

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Balancing Fertility Treatment and Work in Japan: Focusing on Job Types2023

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Terazawa
    • 学会等名
      The 19th East Asian Social Policy International Conference: SUSTAINABLE DEVELOPMENT AND SOCIAL POLICY IN EAST ASIA
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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