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条件不利地域の家族・地域生活の中に芽生える新たな価値についての調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01749
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関島根大学

研究代表者

片岡 佳美  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80335546)

研究分担者 猿渡 壮  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (10829576)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード条件不利地域 / 高校生の親 / 高齢化 / 地域コミュニティ / 外国人移住者 / 家族生活 / 地域生活 / 新たな価値 / 弱者
研究開始時の研究の概要

効率や競争を追求する資本主義社会は,今日さまざまな問題を生じている。都市・地方間の不平等問題もその一つである。現在の資本主義システムが維持される限り,地方はいつも「生きづらい」。しかし,地方に暮らす人びとが地方という不利を生き延びてきたのも事実である。かれらの家族生活や地域生活といった日常は,そうした生活戦略・生活実践の結果である。それは言い換えれば,今の社会に蔓延している競争原理とは異なる原理で生きていく挑戦,ということになる。本研究は調査を通して,資本主義社会での「弱者」である地方で暮らす人びとの家族・地域生活の中に新しい価値を発見し,その価値が主流となる社会を実現する条件を探る。

研究実績の概要

条件不利地域の人びとの生活実践・生活戦略について,以下の調査を行なった。1)県立X高校の保護者を対象とした調査票調査…2023年9月,島根県の中山間地域A町に立地する県立X高校1・2・3年の保護者を対象に調査票調査を行なった(居住地がA町およびその周辺市町村であるケースのみを対象)。回答票数は122件(回収率は約7割),有効回答票数は117件。2)県立X高校の保護者を対象としたインタビュー調査…2023年11~12月,県立X高校生徒の保護者6名にインタビュー調査を行なった。子どもの進路選択について,親の思いや子育て実践について聞いた。3)Y住宅団地でのインタビュー調査…2023年8~9月,島根県松江市のY住宅団地住民13名にインタビュー調査を行なった。住民が一斉に高齢期を迎えた団地で,コミュニティ維持活動について話を聞いた。4)外国人移住者の定住についてのインタビュー調査…2023年6月,島根県で暮らす日系ブラジル人1名に,地域生活についてインタビュー調査を行なった。
このうち1)の調査では,子どもが高校卒業後も今住んでいる地域で暮らしていると思わないという回答が多く見られ,生徒(回答者の子)の性別比較では,女子生徒のほうが「全くそう思わない」「そう思わない」の割合が大きかった(順に,女子では44.8%,23.9%,男子では26.5%,20.4%)。また,子どもに都会へ出てほしいという親の意向は,高学歴志向や安定した職業へのニーズ,家庭の経済状況といった要因よりもむしろ,個人の自由の重視や,子どもの性別が女性であることに影響されていることもうかがえた。地方の若年層の都市部への流出は従来,進学や就職の競争原理に巻き込まれたためといった説明がなされてきたが,個人化やジェンダーといった切り口から説明できる可能性が示唆され,この点は今後,より精緻な分析を行なって明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度に実施を計画していた調査は,予定通り実施できた。研究成果の発表も,おおむね計画通り行なうことができた。

今後の研究の推進方策

2023年度に実施した調査について詳細な分析を行ない,学会報告や論文で発表していく。また,本研究の「資本主義システムから取りこぼされた条件不利地域の側から,新しい価値を見出す」という目的を達成するため,新たな調査対象に,花卉行商に携わってきた島根県八束町大根島の既婚女性たちを加えることを検討している。愛情や安らぎ(あるいはケア)のためでも,自己実現のためでもない,これらの人びとがつくり出してきた非近代家族的な家族生活を調査することを通して,近代(資本主義)的価値とは異なるものを具体的に見出すことを目指し,フィールドワークを精力的に行なっていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 移住者の定住・定着と家族実践―島根県に移住した日系ブラジル人の事例から―2024

    • 著者名/発表者名
      片岡佳美
    • 雑誌名

      同志社社会学研究

      巻: 28 ページ: 19-31

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 山間地域の高校生の語りにみる「新たな価値」2024

    • 著者名/発表者名
      片岡佳美
    • 学会等名
      山陰研究センター
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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