研究課題
基盤研究(C)
長らく日本では動物の命を絶つことがタブー視されてきた。しかし、動物の致死処置は現代社会において不可避となっており、作業に関わる人々の苦悩や葛藤も様々な場面で生まれている。本研究では、動物の致死処置に関わる概念整理を行い、日本人の多面的な認識を市民意識調査や従事者へのヒアリングを通して明らかにしたい。研究を通じて、致死処置に際しての動物の苦痛やストレスを可能な限り軽減する方法を考え、また社会的理解を通じて作業者の心理的負担を減らす方法を考えることは、今後の動物に関係する学問の発展と人材育成のために、そして人と動物の持続可能な関係を構築するためにも、極めて重要かつ総合的な課題であると言えよう。