研究課題/領域番号 |
23K01759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
木村 真希子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90468835)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 市民権 / マイノリティ / グローバル・サウス / インド / 排除 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、グローバル・サウスにおける市民権問題とマイノリティ排除の一例として、インド北東部における移民排斥と市民権問題を取り上げる。インド北東部アッサム州では不法移民問題の解決のため、2014年から全国市民登録簿の更新が実施され、2019年には申請者中200万人が名簿から排除された。この事例は隣接するブータンが1990年代にネパール系移民の国籍を剥奪して多数の難民が出た事例や、ミャンマーにおけるロヒンギャ排斥と難民流出と類似するものである。アッサム州における移民問題は事例研究として多くの研究書が出版されているが、他国との比較分析の視点が薄い。この問題を世界的な潮流に位置づけることを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度は課題1「市民権の剥奪とマイノリティ排除:インド・アッサム州を中心に」を設定し、グローバル・サウスにおける市民権問題やデジタル化、生体認証技術の発達による近年の排除の形態について先行研究のレビューを実施することを目的としていた。サバティカルでオーストラリアのモナシュ大学に滞在し、充実した図書館資料にアクセスして先行研究の整理は概ね予定通り進み、アッサム州の事例を海外の類似の事例との関連の中で位置づけることができた。 また、インド・アッサム州では2回ほど現地調査を実施し、最新状況を把握して有識者と意見交換を行った。現地では、全国市民登録簿の更新で登録できなかった人々がIDカード作成に際しての生体認証が認定されないという問題が発生しており、今後の見通しについて弁護士やジャーナリスト、人権活動家と意見交換を行った。 また、2024年2月にはマレーシアで開催された無国籍問題に関する国際会議に出席し、アッサムに関する事例について学会発表を実施した。同時に、デジタルIDの研究の進展について新たな知見を得、またアッサムの市民権問題に取り組む他の研究者と意見交換や今後の共同研究について打ち合わせを実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
先行研究のレビューと現地調査は概ね予定通り進めることができた。また、マレーシアで開催された無国籍者に関する国際会議に出席することにより、少し前倒しだが研究発表を行い、またデジタルID等について新たな知見を得るなど、予定よりも研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は課題2「アッサム州における市民権制限の歴史」というテーマで過去の市民権はく奪の制度的変遷と強制退去、収容など、実際の被害について調査を進める予定である。すでに弁護士やジャーナリスト、人権活動家の知り合いも多く、予定通り研究を推進できる見込みである。
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