研究課題
基盤研究(C)
戦争による破壊から戦災以前に復元された都市(ワルシャワ旧市街)や、負の記憶を伴う被爆建造物(原爆ドーム)が世界遺産に登録されるなど、実は、世界遺産制度は、戦後の都市復興や精神的傷跡からの回復と深い関連がある。そこで、本研究は、世界遺産制度は、平和構築に寄与しうるのか。それとも、逆に和解ではなく、対立を生み出してしまうことがあるのかという問題意識に基づいて、都市復興のさまざまな様相、世界遺産登録が生む対立、戦場自体の世界遺産化の難しさなどを調査することで、戦争と世界遺産制度の関係について明らかにすることを目的とする。