研究課題/領域番号 |
23K01764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 鹿児島純心大学 |
研究代表者 |
柳園 順子 鹿児島純心大学, 看護栄養学部, 准教授 (20773831)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | IFEL / 保健・保健体育 / 男女特性教育 / 子どもの身体 / 教員文化 / 養護教諭養成所 / 子ども / 身体・健康 / 性・セクシュアリティ / 学校文化 / 管理・統制 |
研究開始時の研究の概要 |
文科省は令和2年から全国の学校で「生命(いのち)の安全教育」推進の方針を示し、子ども側だけでなく教員側の問題も明記した。 本研究は子どもの身体等(性・セクシュアリティ、健康含む)が学校文化の中でいかに受け止められ管理・統制されてきたのか、戦後から1960年代(一部1970年代初頭含む)までの内実を明らかにすることである。現代における課題の歴史的背景を明らかにするために、同時期の官公庁資料や文献等を資料に、IFELや教員養成、特性教育等の面から学校文化という公的領域において私的領域である子どもの身体等がどのように認識され、位置付けられ、誰が何を教育することを自明のものとしていくのかを解明する。
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研究実績の概要 |
近年、文科省は全国の学校で「生命(いのち)の安全教育」を行う方針を示し、児童生徒等に対し性暴力等を行った教員への厳正な処分等、教員側の問題にも対応している。こうした現代における課題の歴史的背景を明らかにするために、子どもの身体等(性・セクシュアリティ、健康含む)が、特に学校文化の中でいかに受け止められ管理・統制されてきたのか、戦後から1960年代(一部1970年代初頭含む)を対象に明らかにすることが本研究の目的である。この目的の達成のため、学校文化という公的領域において私的領域である子どもの身体等がどのように認識され、位置付けられ、誰が何を教育することを自明のものとしていくのか、占領下で日本における教育の指導者を育成する目的で連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の民間情報教育局(CIE)のもとに実施されたIFEL (Institute for Educational Leadership)講習会、教員養成制度、男女特性教育、女性教員の周縁化等、学校文化における子どもの身体の管理・統制に関連する調査を有機的に関連づけて実施する。 初年度である令和5年度は、これら概要を確認する作業に集中した。先行研究のほか、特にIFELの『教育指導者講習研究集録』の中で「保健」「保健体育」「養護教諭」等に関連する一次資料の入手及び確認作業を行った。指導内容や受講対象者に加え、後に受講者がどのような興味を持続していくのか、その後の活動等を示す講習参加者の記録を記述した文献、新聞記事・雑誌等の調査も実施した。教員養成制度史や国立養護教諭養成所の年史、男女特性教育や「身体」「性」「健康」「男女特性教育」に関する文献や先行研究等についても網羅的に通読し概観した。これらを整理する過程で初心者向けテキスト『学校保健』の編著者として執筆・編集作業にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は本研究の初年度のため、過去の研究で見出した論拠となる文献・資料等に加え、図書館(所属先及び近隣大学図書館含む)や各資料室、デジタルアーカイブ等を通じて入手可能な新たな資料の収集・整理作業を行い、本研究の基礎的な事項について概観することが出来た。文献レビューを中心に既に学会や論文等で報告済のものを軸に新たに文献資料を加え再分析・再構築したものを発表予定としていたが、国立国会図書館(館内限定)等、遠方での調査については地方都市にある所属先からはアクセスが悪く時間を要するため業務の多忙化により時間の確保ができず実施出来なかった。そのため、論文化に必要な一次資料を十分に整えるに至っていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
占領解放後の日本では占領期教育改革の是正が行われた。高度経済成長期に向け社会が大きく転換し、子どもの「身体」等に関する様々な課題も浮上していた。学校文化はこれらをどのように捉え、いかに語り、管理と統制をしてきたのか、男女特性教育、養護教諭養成所設立までの議論等を踏まえて明らかにする予定である。次年度は時間を確保した上で国立国会図書館(館内限定)等、遠方での長期調査(もしくは分散で複数回)を実施し、一次・二次資料を十分に整え考察した成果を論文化し、学会誌または紀要等に投稿する。
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