研究課題/領域番号 |
23K01782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
熱田 敬子 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (20612071)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 民主化運動 / フェミニズム / ジェンダー / セクシュアリティ / 東アジア / 民主化 / 社会運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「マイノリティの権利擁護は、社会の民主化とどのような関係にあるのか」を、東アジアのフェミニズムを中心とした事例から解き明かすことである。 この問いをさらに2つに分解し、①民主化が進展・達成された国や地域ではマイノリティの権利擁護が進む傾向にあるのか、あるとすればそれはどんな条件の下でか、②民主化を基盤として進展したマイノリティの権利擁護運動は、民主化運動の中にも存在するマイノリティ差別の構造との間に、どのような緊張関係を抱えるかを、多様な民主化の過程をたどった東アジア諸地域をフィールドとして明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は継続的に研究会を行い、中国の#MeToo運動の当事者、日本軍性暴力被害者についてのドキュメンタリー映画の監督などに話題提供を依頼し、今後の研究の展開の土台を作った。 年度末には、インターセクショナル・フェミニズム研究プロジェクト、東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターなどと共催して、国際シンポジウム「ギグワーカーとジェンダー、セクシュアリティ~バリアの回避と権利保障」を開催した。香港、韓国、日本のそれぞれの専門家を招き、女性やセクシュアル・マイノリティの労働者とプラットフォーム労働者の運動について聞いた。 香港、韓国ではプラットフォーム労働者たちの労働運動が盛んとなっており、その中でジェンダーの視点が使用者側、労働運動側共に不可欠になっている。女性の活躍といった一件フェミニズム的に見える語彙が、「柔軟な働き方」を通じた自己実現をアピールし、不安定なプラットフォーム労働に労働者をひきつけることに貢献する一方、従来の労働市場の中で周辺化されてきた女性やセクシュアル・マイノリティたちにとって、実際にその「柔軟」さが魅力と映っている現実も確認された。 さらに、プラットフォーム労働組合といった労働者側の新たな対抗運動も生まれており、女性労働者たちはその取り組みにおいて重要な役割を果たしている。 民主化運動とフェミニズムの関係を考える上で労働は重要な要素であり、シンポジウムでは最新の状況を共有していただくことができた。これら研究会と国際シンポジウムを通じ、民主化運動とフェミニズムの関係を研究するためのネットワーキングを行い、今後調査可能な日本、海外の機関や個人とアポイントを取ることができた。 また、2回の国際会議で研究成果を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後の研究調査につながるアポイントを取り、ネットワーキング、ラポールの形成を順調に進めることができた。 同時進行で公開研究会や国際シンポジウムを行い、成果を広く社会に還元することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も引き続き調査を行いつつ、他の研究プロジェクトと連携して公開研究会、シンポジウム、ワークショップを開催する。こうした研究活動の中で、さらなる調査対象との関係性を形成する。
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