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配偶子バンクの市場化と生殖をめぐる価値規範の変容に関する医療社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01791
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関東京大学

研究代表者

李 怡然  東京大学, 医科学研究所, 助教 (20850366)

研究分担者 原田 香菜  早稲田大学, 法学学術院, 講師(任期付) (90879826)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード生殖 / 配偶子 / バンク / 家族 / レジストリ / 配偶子バンク / 配偶子提供
研究開始時の研究の概要

近年、生殖補助医療(ART)目的や再生医療・幹細胞研究の試料としての利活用など、配偶子(精子や卵子)・胚(受精卵)の取扱いをめぐる状況は劇的に変化を迎えている。
本研究の目的は、配偶子の利活用に関わる国内外のステークホルダーを対象とした量的・質的調査を通じて、国境を越えた配偶子バンクの市場化と配偶子の広範な研究利用が、人々の家族形成や遺伝的なつながりへの認識、医療専門職の価値規範にどのような変容をもたらしているかを明らかにすることにある。医療者・バンク運営者・LGBTQ 当事者などへの調査を行い、諸外国の社会制度の文脈と比較しながら日本の位相と課題について分析する。

研究実績の概要

2023年度は、<フェーズ1:配偶子バンクとARTを通じた家族形成に関する国内外の法制度や政策に関する基礎的調査>に関して、家族法や配偶子・胚(受精卵)の収集・保管に関する法律やガイドライン等を収集し、日本の現状と国外の実態の整理を行った。特に、ヘテロセクシュアルのカップル、シングル女性・男性、セクシュアルマイノリティといった立場ごとに各種のART利用が法的に可能かどうか、配偶子バンクをめぐる諸制度、子の出自を知る権利、国・地方自治体または団体によるドナー情報管理といった観点から各国を比較分析した。日本では同年、超党派の議員連盟により「生殖補助医療法案」の骨子案がまとめられたが、仮に法案が成立した際にはART利用が法律婚の男女の夫婦に制限されること、子がアクセスできるドナー情報は一部に限定されること、国が認定した医療機関に限定されること、等の親と子双方に与えうる影響を考察した。
<フェーズ3:ART のステークホルダーに対するフィールド調査・インタビュー調査>に着手し、グローバル規模の商業展開がみられる大型配偶子バンクの代表例として、デンマークの民間配偶子バンクへの訪問調査と経営幹部に対するヒアリングを実施した。欧州や日本を含む諸外国の利用者の状況、シングル女性やレズビアン・カップルの利用者の割合、ドナーのプロフィールの選択可能性、医学的スクリーニングや遺伝カウンセリングの提供体制等について現状が明らかとなった。また、北欧以外の米国、アジア圏の状況について基礎的な情報を収集し、次年度以降の訪問調査の計画を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い、2023年度に実施する<フェーズ1>文献収集・調査および<フェーズ3>の配偶子バンクの運営者を対象とするフィールド調査のうち、北欧の拠点の訪問を実現し、一定の目標を達成できた。文献調査および訪問調査の結果については、次年度に開催される学会にて報告が採択決定している。ただし、研究代表者の欧州における在外研究の期間が重なったこともあり、北欧以外の地域の配偶子バンクおよび日本支社の訪問に関しては、次年度以降の調査課題として持ち越すこととした。
次年度に計画している<フェーズ2:ART 医療者に対する質問紙・インタビュー調査>については、対象となる日本国内の医療機関についてリストアップを行い、調査項目の検討を行うなど準備を開始した。

今後の研究の推進方策

<フェーズ1>文献調査および法制度に関する比較検討を継続する。
<フェーズ2>に本格的に着手し、配偶子提供を用いた生殖補助医療およびヒト胚・卵子の凍結保存を実施している日本国内の施設に対し、ARTの提供状況、利用者からの問い合わせに関して質問紙調査を実施する。また、質問紙調査の分析結果に基づいて、専門家の価値規範をより掘り下げるためのインタビュー調査を試行する。
<フェーズ3>について、米国・オーストラリア・台湾等の配偶子バンクに訪問調査を打診し、フィールド調査に基づく比較分析を継続する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 生殖補助医療と親子法 出生する子の出自を知る権利の観点から─生まれてくる子のための医療と法制度のあり方についての一考察2024

    • 著者名/発表者名
      原田香菜
    • 雑誌名

      家族と子どもをめぐる法の未来 棚村政行先生古稀記念論文集(水野紀子・窪田充見・鈴木伸智・北田真理編)日本加除出版

      巻: - ページ: 137-158

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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