研究課題/領域番号 |
23K01809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
島本 太香子 奈良大学, 社会学部, 教授 (70254505)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヘルスケア / ライフステージ / 女性医学 / 社会学 / 性差医療 / ウェルビーイング |
研究開始時の研究の概要 |
更年期症状とジェンダー特性(性別役割意識)の関連(基盤C 25360057)から、①個々のジェンダー的視点(社会や家族で担った役割とその自己評価等)、性差医療の視点、健康リテラシー等の社会学的要因を含む、セルフケアの新しいアセスメント指標を開発し、WHOのHealthy Agingガイドラインへのスムースな移行を促すプログラムを検討する。②閉経期を高齢期への転換点と位置付け、「治す」から「治し支える」医療への転換に必要なアセスメント指標を開発する。③指標を評価し、本人と周囲の支援者の共通認識ツールとし、女性の活躍推進とWHOのICOPEに連動する女性の生涯にわたるQOL向上の概念を創造する。
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研究実績の概要 |
女性の健康は生物学的要因(ホルモン変動)、ライフスタイルや社会・心理的要因の影響を受け、諸症状が生活の質(quality of life; QOL)を低下させ、女性活躍を推進する現代社会の損失にもつながることから、医療の枠を超えて、各人の状況に則した包括的なヘルスケアシステムが求められる。超高齢化社会では、閉経期はActive Agingへのスタート地点と位置づけられる。 本研究では、これまでの研究成果(基盤C 25360057)と、コロナ禍初期に実施した市民調査のジェンダー格差の結果をもとに、ライフイベントの総括としての閉経期の価値観、健康リテラシー、現代の社会学的要因を総合評価する「アセスメント指標」を開発する。その活用により、各人が望むAgingのプロセスで高齢期へシームレスに移行するためのセルフケアと、支援者に共有される指針とプログラムを作成する。 研究の初年度である2023年度は、Active Healthy Agingへの移行上の課題抽出のために、高齢期の男女の健康と生活上の課題、家庭内性別役割の意識などの実情把握を行った。研究者らが前述の市民調査(2020年)で、コロナ禍の生活と健康への影響にはジェンダー格差があり、ライフステージの特性に応じて異なることを示したことから、今回は、前述の調査で高齢者と他世代で格差を認めた項目を中心としたアンケート調査を実施した。 日常生活が自立し社会活動に参加可能な高齢者約300名を対象としたところ、コロナ禍での家族の世話や家事の負担感、医療機関の受診抑制は、他世代と同様に女性の方が高率であり、配偶者の有無や同居家族で差異を認めた。また高齢者にも家庭内の役割分担に性差が認められ、内閣府が示したコロナ下の女性への負担増大は、高齢者にも存在した可能性がある。コロナ禍の生活への影響の認識にジェンダー要因が関連することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢期の生活と健康に関わる社会学的要因の実情調査について、概ね予定通りにアンケート調査を実施している。現在、他世代の一般市民に対するアンケート調査の結果を集計、解析中であり、その結果に基づいて、必要な要因の抽出を行う。
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今後の研究の推進方策 |
現在、各ライフステージの一般市民への調査、健康感の高い活動的な高齢者の生活と健康に関わる調査を進めているが、今後は、医療等のケアが必要な高齢者、閉経期前後の年代で課題を有する対象者への調査を実施する。 中年期以降の生活と健康状態については、個別の背景の影響が大きいため、調査対象者の選定について、関係機関との調整のもとで実施していく。
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