研究課題/領域番号 |
23K01822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 浦和大学 |
研究代表者 |
栗延 孟 浦和大学, 社会学部, 准教授 (50584512)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 介護良いこと日記 / 介護に対する肯定的評価 / 介護負担感 / 家族介護者 / 心理的負担軽減 / SNS / コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,家族介護者と被介護者との関係性に注目して,「介護良いこと日記」と「介護日記」でどちらを記述した方が好影響を与えるのか検討する。また,これら2種類の日記を別の家族介護者が読むことが読者に与える影響について検討を行い,より家族介護者の心理的負担低減できるツールの開発を目指す。さらに,日記を投稿したり,他者の日記を読んだりできるSNS上の「介護良いこと日記」コミュニティをつくり,参加者の活動実態,活動が心理的負担に与える影響について検証する。
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研究実績の概要 |
「介護良いこと日記」を書くことが家族介護者の介護負担感・肯定的評価に与える影響について検討した。日本の親を介護する27人の介護者の参加者をクラウドソーシングで集めG「介護良いこと日記」群(15人)と「介護日記」群(12人)とにわけた。それぞれ14日間の日記を書くよう指示し、事前・事後のアンケートで、精神的健康感(WHO5)、介護負担感(ZBI)、介護に対する肯定的評価(PACS)、ストレスレベル(PSS)を評価した。その結果、両群ともZBIとPSSは低減しており、日記を作成することでこのような効果がみられることを確認した。一方で、WHO5の向上、PACSの向上は「介護良いこと日記」群のみにみられ、あえて介護に関わる「良いこと」を書く意義が確認された。 また、半年後に参加者に同様のアンケートを行ったところ、介護良いこと日記群はPACSは高いまま維持されていることが確認できた。「介護良いこと日記」を書くことで、介護に対する認知が変容した結果だと考えられる。 また「介護良いこと日記」が家族介護者のWHO5,ZBI,PACSに与える影響について,被介護者との信頼関係がどのように影響を及ぼすのか検討することを目的とした。WHO5,PACSについては,信頼関係が及ぼす影響は認められなかった。親子の関係に関わらず,「介護良いこと日記」の方が,これらの側面にはポジティブな効果があると考えられる。一方でZBIについては,信頼関係が高い群が「介護者が介護をはじめたためにこれまでの生活ができなくなることによって生ずる負担」であるRole Strainが低減していた。1つの可能性として,親との信頼関係が高い群は日記を書くことにより,社会参加が困難になった要因を親の介護と切り離して考えられるようになった可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「介護良いこと日記」を書くことが家族介護者の介護負担感・肯定的評価に与える影響についての研究はほぼ終了しており、現在論文を投稿中である。また半年後の追跡研究についてのデータの収集,分析は終了しており,学会発表・論文の執筆を準備している。 また他者が書いた「介護良いこと日記」をことが家族介護者の介護負担感・肯定的評価に与える影響についての研究については現在データ収集を行っており、順調にデータが集まっている。 2年目~3年目に実施する予定である「介護良いこと日記」コミュニティが家族介護者に与える影響の検討についてであるが,すでに準備が進められており夏ごろには実施が可能な状況となっている。 当初の予定より、研究1が早く終了しており、かつ良い結果であったので、計画以上の進展と言ってよい。
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今後の研究の推進方策 |
研究を遂行する上では、「介護良いこと日記」を利用した家族介護者が集まるコミュニティを作成し、どのように参加者を多く集めるか、またそのコミュニティを活性化させるのかが課題となる。 参加者を増やすための案としては、ケアマネ等の協力を得ながら家族介護者に声をかけてもらうなどの方法が考えられる。その他、SNSの利用等も考えられる。 活性化させるための案としては、ケアマネ等専門職も巻き込みながら必要があれば投稿などに対して個別にコメントを返すなど、専門職の立場からファシリテートしてもらうことも必要かもしれない。また、botのような形で、すでに集めてある良いこと日記を研究者側から投稿することも必要かもしれない。
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