研究課題/領域番号 |
23K01823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
大日 義晴 和洋女子大学, 家政学部, 准教授 (00732968)
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研究分担者 |
平野 寛弥 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (20438112)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 生活保護 / スティグマ / 公的扶助 / ラベリング / 社会調査 / 貧困 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は生活保護制度利用過程におけるスティグマの実態把握を通じて、現代日本の生活保護制度の特性と課題を析出することを目指す。具体的には、(ⅰ)生活保護を申請し受給中である(もしくは受給経験がある)ケースと、(ⅱ)生活保護の申請経験がないケースを対象に、半構造化面接法を用いたインタビュー調査を通じた検証をおこなう。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究計画の1年目に該当する。よって、先行研究の検討と2年目以降の実査に向けた準備を中心に進めた。まず、スティグマ(とりわけ生活保護の申請・受給に付随するスティグマ)に関する国内外の先行研究や実態調査のデータベース化をおこない体系的整理を進めた。国内ではGoffmanやSpickerの議論が繰り返し援用されつつも、実態としてはその定式化が十分検討されないまま、さまざまな現象を示す用語としてスティグマ概念が用いられていた。また生活保護の申請・受給する個人を対象としたケーススタディはきわめて限定的だった。先行研究の検討をつうじて、(1)スティグマの社会心理学的プロセスに着目すること、(2)スティグマ概念の分節化をおこなうこと、(3)生活保護ケースワークにおける意図せざる結果としてのスティグマの生成に着目すること等が今後の分析課題として挙げられた。 また、対象者にアクセスするための準備段階として、福祉事務所ケースワーカー、生活保護および貧困を対象とした国内の研究者にヒアリングを実施し、インタビュー調査実施のための準備を進めた。生活保護の申請/受給経験は、きわめてセンシティヴな個人情報であるため、対象者にアクセスすること自体に大きな障壁が存在することがあらためて確認された。その上で、今後いくつかの方法を試行錯誤しつつ進めていくことが検討された。当然のことではあるが、調査協力者の個人情報保護については、きわめて慎重な手続きが採られる必要があることを再確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に実査対象者について一定のめどをつけることができなかったことの懸念がある。引き続き関係者および関連団体へのヒアリング等をつうじ、いくつかの選択肢を含めて、実査への協力に向けた準備を適宜進めることを予定している。場合によっては、研究・調査計画の一部見直しを検討することも考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおり実査をおこなうことを予定している。年度の前半で生活保護の申請経験がないケースを対象にしたインタビュー調査を、年度の後半で生活保護を申請し受給中である(もしくは受給経験がある)ケースを対象にしたインタビュー調査を実施し、分析課題の検証をおこなう。
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