研究課題/領域番号 |
23K01842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小澤 裕香 金沢大学, 地域創造学系, 准教授 (00582032)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 労働統合型社会的企業 / 就労支援 / 中間的支援組織 / フランス / DLA / 就労困難層 / 雇用の質 / アクティベーション |
研究開始時の研究の概要 |
アクティベーション政策の推進により、就労困難層への就労による社会参加の保障が、雇用の「質」を考慮した雇用創出という論点とともに要請されている。その際、雇用創出の担い手として注目されている「労働統合型社会的企業」は雇用の質を考慮した雇用創出モデルを提供しうるだろうか。 本研究は、フランスの労働統合型社会的企業に着目し、①労働統合型社会的企業の設立・運営支援体制、②職業訓練の提供体制、③労働者保護のあり方という、質を考慮した雇用の創出という観点から、実態と課題を現地調査を踏まえて明らかにすることで、就労困難層が労働市場に安定的に参加しうる諸条件を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は就労困難層の雇用創出の担い手として労働統合型社会的企業が雇用の質を考慮した雇用創出モデルとしてどのような可能性をもっているかを検討することを目的とする。研究の1年目は、労働統合型社会的企業の設立・運営支援体制がどのようになっているのか、またその課題についてフランスの事例を通じて検討した。 労働統合型社会的企業の設立・運営支援体制は主に2つある。第一は、労働統合型社会的企業自身が組織する団体(全国、地域圏、県単位で組織化されており、CHANTIER ecoleなど)である。団体は労働統合型社会的企業の認定会議のメンバーでもあるため申請書類など行政上の支援はもちろんのこと、財政上の課題への対応など団体が直接解決できない支援手段については外部の支援へつなぐなど総合的な支援が実施できている。現マクロン政権での雇用政策の予算的制約、また刑務所内に創設される労働統合型社会的企業が優先という方針のもと該当する労働統合型社会的企業以外の相談に応じられていない。 第二は、地域寄添い制度(DLA)が重要な役割を果たしている。DLAは2002年に制度化され、およそ20年間で7,100の企業が支援を受けている。DLAは県、地域圏、国レベルにそれぞれ設置されており、通常は労働統合型社会的企業が設置されている「県DLA」に直接相談支援を依頼する(広域事業展開の場合は「地域圏DLA」が受け持つ)。県DLAは当該県の支援手段を収集し利用できるよう調整する。また、国レベルには7領域(文化、環境・気候変動、スポーツ、健康・連帯、金融、就労困難層の雇用創出、情報)ごとにDLAセンターが設置されており、ネットワーク構築、県・地域圏DLA職員への研修、労働需給のマッチング体制の構築等のDLAが地域レベルで機能するよう基盤整備を行っている。DLAの主要課題は予算の制約から支援企業が限定されてしまうことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書通り、DLAの全国、地域圏、県すべてのレベルでの調査が実現し、DLAの体系的な把握や各レベルのDLAにおける役割、運営体制、実施状況や課題等を現地でのヒアリングによって明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
計画書に記載されているように、2年目は労働統合型社会的企業における職業訓練体制について明らかにしていく。文献で明らかにできる範囲が限られているので、現地調査の実現に力を入れて取り組んでいく。
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