配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究実績の概要 |
ハンセン病元患者の子ども群と一般群全体の比較を行った結果、身体的健康(t=-4.597, df=87.643, p<.001)、友だち(t=-2.791, df=103, p<.01)、QOL総得点(t=-2.791, df=103, p<.01)において、元患者の子どもたちが有意に低いという結果となった。学校種別に検定を行った結果、小学生の場合、元患者の子ども群と一般群との間には有意差がみられなかったが、身体的健康、精神的健康、自尊感情などの項目において 極端に低い外れ値がみられ、状態の良くない子どもがいることが明らかとなった。中学生の場合、身体的健康(t=-2.947, df=46, p<.05)とQOL総得点(t=-2.415, df=46, p<.01)において有意差がみられ、元患者の子どもたちの方が有意に低い結果となった。高校生の場合、身体的健康と学校生活に有意差がみられた。身体的健康は一般群の方が有意に高く(t =-2.474, df= 17.474, p<.01)、学校生活については元患者の子どもたちの方が有意に高かった(t=2.889, df=22.977, p<.01)。 今回の研究については、子どもを対象として包括的健康尺度(Kid-KINDL)を用いて実施した。しかし、社会的少数者の子どもの場合、精神的に複雑な機序を抱 えていることから、尺度の妥当性・信頼性が不十分と考えられる点もあると判断された。そのため、この研究結果を基にして、2023年度には独自包括的健康尺度の開発に着手をした。初回の調査は2023年度、2回目の調査は2024年度に実施の予定である。 また、この研究結果の概要については原著論文として公開の予定である(2024年8月)。
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