研究課題/領域番号 |
23K01877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
加藤 由衣 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30611991)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 省察的実践 / 熟達 / eスキャナー省察的実践モデル / 省察ツール / 省察の熟達モデル |
研究開始時の研究の概要 |
省察的実践は近年ソーシャルワークで重視されているが、省察の構造の曖昧さや実践での現実化の課題ゆえに、その熟達モデルは確立されてこなかった。そこで本研究は、ソーシャルワーカーの省察的実践家としての熟達を支援するために、省察ツールを活用した理論に基づく熟達モデルの開発を目的とする。そのために、①省察的実践家としての熟達プロセスを明らかにし、それをもとに②熟達モデルを導入した省察ツールを開発することにより、省察的実践家としての成長を可視化し、熟達を支援できる方法論を構築していきたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究期間の1年目であったため、省察的実践及びソーシャルワーカーの熟達に関する理論研究を中心に研究を進めた。 まず、これまで進めてきた省察的実践の理論研究を継続して行い、ソーシャルワークの価値・知識・方策・方法の4側面から省察的実践家に求められる要素を精査した。そのうえで、これまで開発してきたeスキャナーを活用して省察的実践を支援するツール(eスキャナー省察的実践モデル)を検証し、本研究の基礎となるツールをまとめた。 次に、ソーシャルワークや看護など関連領域を含めた成長や熟達に関する文献を渉猟し、省察的実践家の熟達の理論的特性を検討した。具体的には、対人支援専門職の成長・熟達段階や経験年数に応じた専門職の特性について論じた文献から、それぞれの特性を省察的実践の価値・知識・方策・方法の4側面と照らし合わせて整理した。そして、初任レベルでは理論知(ルールや原則)に基づく実践や曖昧な役割認識、自己中心性、未熟な省察といった段階であるのに対して、熟達レベルでは、エビデンスと実践知の活用や知の創造、直観の活用、柔軟な役割転換、多様なシステムレベルへの視点、クリティカルな省察などの特徴を有する専門職へと成長していくことを示した。 このように、熟達に向けた各段階の指標となる特徴を整理したことで、ソーシャルワーカーが熟達段階における現在の自分の位置を確認することができると考えている。これらの成果から、省察的実践家としての熟達プロセスを検討する基盤づくりができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論研究については概ね計画にそって進められているが、調査研究は、調査の準備に時間を要したため、調査の実施ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
理論研究については、引き続き省察的実践や熟達に関する文献研究を進め、省察的実践家の熟達段階に応じた特性を精査し、熟達プロセスを検討していきたい。あわせて調査研究についても計画的に進めていきたいと考えている。具体的には現場ソーシャルワーカーへのインタビュー調査を実施し、省察的実践の変化・変容の特徴を検討していきたい。これらの理論研究と調査研究をふまえて、省察的実践の熟達モデルを組み込んだ省察ツールの開発を目指していきたい。
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