研究課題/領域番号 |
23K01901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
志村 恵 金沢大学, 国際学系, 特任教授 (50206223)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 外国人市民 / 社会定着 / ピアサポート / ピアサポーター養成 / 移民 / 難民 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,我が国において今後予想される定住外国人市民の大幅な増大を見据え,地域における共生社会の実現のため,孤立しがちな外国人市民を対象とする,生活や社会資源に関する情報提供や育児・家事支援等を行う「ピアサポート事業」を開発・試行する実証的研究 である。すなわち,すでに日本社会において生活経験のある「先輩」外国人市民をピアサポーターとして養成し(ピアサポートに必要な傾聴などのスキルや社会資源に関する知識等を涵養),彼ら・彼女らをニューカマーの外国人市民の家庭に派遣し,ピアサポート活動を行う枠組みを構築するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,我が国において今後予想される定住外国人市民の大幅な増大を見据え,地域における共生社会の実現のため,孤立しがちな外国人市民を対象とする,生活や社会資源に関する情報提供や育児・家事支援等を行う「ピアサポート事業」を開発・試行する実証的研究である。そのために,(1)「地域の母」(Stadtteilmuetter)事業として外国人市民のピアサポート事業を2004年から展開しているドイツの先進事例を調査し,(2)外国人市民を対象とした日本における生活や社会資源に関する情報や育児・家事支援等に関するニーズ調査を行い,(3)日本の社会状況を反映したピアサポート・プログラムおよびピアサポーター養成プログラムを構築し,(4)これを外国人支援・育児支援のNPO等と連携して試行するとともにその効果を測定し,改良する計画であった。 2023年度では,外国人支援やピアサポート活動に関する専門書・研究論文により文献的研究を行いつつ,9月にドイツ・デュッセルドルフ市における「地域の母」事業の現地調査を行いつつ(コーディネータおよびピアサポーターへのヒヤリング),外国人市民の日本社会への生活情報,社会資源等に関するニーズ調査を高度人材となる外国人留学生を対象として行った。 これらの調査の結果については,2023年11月開催の日本独文学会北陸支部研究発表会において口頭発表した(「ピア・活動としての「地域の母」事業 ― デュッセルドルフ市における予備調査をもとに ―」)ほか、金沢大学国際機構の機関誌において「調査報告」として発表した(「日本での就職を希望する留学生を対象とする日本社会適応・定着のニース調査」『金沢大学国際機構紀要』第6号(2024年3月)35-48)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年でにおいては、当初計画通り、外国人支援やピアサポート活動に関する専門書・研究論文により文献的研究を行いつつ,9月にドイツ・デュッセルドルフ市における「地域の母」事業の現地調査(ディアコニ・フリンゲルン支部において)を行った(コーディネータおよびピアサポーターへのヒヤリング)。並行して、外国人市民の日本社会への生活情報,社会資源等に関するニーズ調査を金沢大学の日本での就職を希望する留学生を対象として行った。そして、これらの調査の結果については,日本独文学会北陸支部において口頭発表し、また金沢大学国際機構の紀要に「調査報告」として公表した(オンライン・ジャーナル)。 以上のように、計画通りに研究を遂行できたので、(2)「おおむね順調に進展している」との判断を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現在の進捗状況は計画通りなので、今後の研究計画は、当初の計画通り、2024年度にはポート・プログラムおよびピアサポーター養成プログラムに関し,文献研究を行いつつ,ドイツの「地域の母」事業の枠組みに依拠しながらピアサポート・プログラムおよびピアサポーター養成プログラムの試行版を開発する。試行版は,石川県で外国人支援を行っているNOP法人や自治体と協働して,ピアサポーターを養成した上で,実際にニューカマーの外国人市民家庭にアウトリーチし,ピアサポート活動を行う。その後,被支援者およびピアサポーターに対してヒヤリングと質問紙によるアンケート調査を行い,プログラムの効果について測定する。 2025年度は,試行プログラムの評価・修正と本取り組みの総括及び公表の年度と位置付け,前年度の評価作業や調査結果の分析を行い,これらの作業によるプログラムの評価の結果を受け,試行プログラムの修正を行い,その結果をドイツ・デュッセルドルフ市の「地域の母」事業のコーディネータに助言を受ける。これらを総合的に検討し,試行プログラムを修正した上で、最終的にはこれらの取り組みと修正後のプログラムに関して,ピアサポートや共生社会・社会政策に関する学会等において研究発表するとともに,HP等を通じて公開する。
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