研究課題/領域番号 |
23K01926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
豊島 久美子 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 教授 (00565450)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 音楽聴取 / ステロイド・ホルモン / 認知能力 / テストステロン / コルチゾル / エストラジオール / 高齢者 / 高齢者福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、音楽聴取が重要な身体機能を有するステロイド・ホルモン(SH)を調整し認知能力を向上させるとの仮説を検証し、音楽を医療(認知症)や脳科学研究に応用する基盤を確立することである。健常高齢者が簡便かつ安全で日常的に活用出来る認知症予防の方法を考える。 実験では50-70代の健康な男女を対象に、長期間にわたり音楽聴取時のSH変動及びオキシトシンの動態、認知能力検査、音楽嗜好度、遺伝子多型等との関係を比較分析する。行動内分泌学を応用したアプローチにより、音楽聴取が認知能力を改善し健康への有効性が立証されれば、非侵襲でマルチ・アクティブかつ副作用の無い「薬としての音楽」の可能性が開ける。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、音楽聴取が高齢者の認知能力にどのような影響を与えるかを、唾液中ステロイド・ホルモン(SH)の変動と、認知テストを用いて総合的に検証することである。特に個別の音楽聴取活動に焦点をあて、健常高齢者が簡便な方法で日常的に活用出来る認知症予防の方法を考える。 本研究の特徴は「予防・保健」としての音楽の利用を視野に入れ、健常高齢者の個々の音楽聴取活動に焦点をあて、その効果をSH、および神経伝達物質の動態と認知テストの相関をみることにより検証する点である。音楽聴取によって健常高齢者のSH分泌調整ができれば、代替医療として音楽を利用することができるだろう。音楽はヒトの知覚・認知機能、および情動機能と不可分である。他方、ステロイドは認知や記憶の維持、情動に重要な役割を果たしていることから、高次脳機能解明の懸案である情動メカニズムの解明につながる糸口を発見できる可能性が高い。 実験では、健常高齢者を対象に、好きな音楽を聴取しその前後で唾液中の内分泌変動を調べる。測定指標は、唾液より採取する内分泌指標(テストステロン、エストラジオール、コルチゾール)、心理テスト、認知能力検査、ほか音楽嗜好や音楽行動に関する質問紙を実施する。 研究初年度である2023年度は、研究計画の倫理審査の申請をし、実験準備を行った。研究計画審査については、研究代表者が所属する大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会により研究計画審査を受け、承認された。今後被験者の募集を進め、実験実施に繋げていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度である2023年度は、研究計画の倫理審査の申請をし、実験準備を行った。 実験に先立ち、先行研究をレビューし研究計画を精査した。先行研究の調査により、研究対象者の年齢層に適し、実験方法に即した使用が可能な、心理テストおよび認知能力検査を抽出し、被験者への提示方法を検討した。また、指標として用いる内分泌物質も再検討し、測定物質の選定を行った。 さらに、唾液採取に伴うストレスを軽減するために、より安全で高齢者が簡便に採取できる方法を検討し、本実験で使用する唾液採取容器を選定した。 本研究の実験計画は、大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会による研究計画審査を受け、承認された。被験者の人権に配慮し、権利を最大限に尊重するため、文書及び口頭での説明とともに、インフォームド・コンセントを行う。
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今後の研究の推進方策 |
現在、実験に向けて、被験者募集と、同意を得られた被験者への説明会の準備を中心に行っている。 6月末までに第1次の被験者募集を完了し、順次被験者のスクリーニング結果をまとめ被験者を決定し、実験を開始する予定である。 本研究に関する先行研究調査は継続的に行い、新しい情報を踏まえて実験を行っていく。
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