研究課題/領域番号 |
23K01935
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
|
研究分担者 |
末田 邦子 愛知淑徳大学, 福祉貢献学部, 准教授 (00434556)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 精神病者社会事業 |
研究開始時の研究の概要 |
精神病者監護法及び精神病院法の運用下において、「両価性」を有する政策意図が社会事業行政及び社会事業活動にどのように意図されながら、あるいは結果として展開されたか、そして「精神病者」の生活にどう影響したかを明らかにする研究である。 政策的両価性(保護と取締)が実践的両価性(保護/救護と管理/監視)として展開され、精神障害者の権利保障/剥奪につながる事例は、現在も確認できる。この「両価性」が、精神障害者福祉を検討する際の歴史的構成の素材としての典型であることの理論的実証を、歴史研究の立場から吟味しようとする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、20世紀前半の日本において精神障害者に対する処遇方針を規定した精神病者監護法(1900年)及び精神病院法(1919年)の法理念が有する「両価性」が、同法の運用過程において、意図的にあるいは結果として、社会事業行政及び社会事業活動へどのように展開されたか、精神障害者の生活にどのように影響したのかを理論的に解明することにある。具体的には①法制度の改廃過程に関する行政資料等を用いた精神障害者に対する社会事業の法的理念の把握(政策理念)、②社会事業家による実践記録等を用いた精神障害者への社会事業の実践状況の把握、③精神障害者慈善団体の処遇事例や新聞記事等を用いた市民の認識及び精神障害者の生活実態の把握の3側面から考察し、近代日本精神病者社会事業の総合的な理解を試みる研究である。 初年度である2023年度は、①史資料の収集:社会事業成立期(1918-29)における社会事業の対象としての精神障害者の認識に関する資料を半分程度収集した。資料収集を継続しつつ資料目録及び年表を作成中である。②社会事業成立期(1918-29)における精神障害者の処遇実態・生活状況がわかる新聞記事の所在確認・収集を継続して行っている。③史資料の分析と研究成果の公表:『近代医療保護事業発達史 上巻』(中央社会事業協会社会事業研究所1943)が「一般医療保護事業」と別に、結核病・精神疾患・ハンセン病の慢性3疾患対策を「特殊医療保護事業」とした。2023年度は、大正中期から昭和初期にかけての特殊医療保事業のうち「結核」に焦点を当て、地域としては「愛知県」を事例としてその展開過程を整理し、論文として公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
愛知県における戦前の特殊医療保護事業のうち結核予防対策の展開/運用過程に焦点を当てた論文を公表した。精神疾患対策との比較対象として結核予防対策/ハンセン病対策に焦点を当てようとしているが、結核予防対策の検証にとどまった。ハンセン病対策・精神疾患対策については時間的制約から資料収集・分析が完了しなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
①②について資料収集の段階のため、継続的に資料を収集し、資料目録及び年表を完成させる。また精神疾患対策との比較対象としてのハンセン病、精神病予防対策についても早急にまとめる。
|