研究課題
基盤研究(C)
精神病者監護法及び精神病院法の運用下において、「両価性」を有する政策意図が社会事業行政及び社会事業活動にどのように意図されながら、あるいは結果として展開されたか、そして「精神病者」の生活にどう影響したかを明らかにする研究である。政策的両価性(保護と取締)が実践的両価性(保護/救護と管理/監視)として展開され、精神障害者の権利保障/剥奪につながる事例は、現在も確認できる。この「両価性」が、精神障害者福祉を検討する際の歴史的構成の素材としての典型であることの理論的実証を、歴史研究の立場から吟味しようとする。