研究課題/領域番号 |
23K01936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
村田 隆史 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (20636477)
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研究分担者 |
神崎 淳子 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (00569353)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 最低生活保障 / 社会保障と労働政策の交錯 / 就労優先原則 / 自立支援 / 生活権 |
研究開始時の研究の概要 |
3年間の分析を通じて、社会保障と労働政策の交錯が最低生活保障に与える影響を理論的に考察する。現時点では低所得者対策が「社会保障と労働政策が一体的に論じられることによって、労働が優先されて最低生活保障の基盤を掘り崩す」ことが明らかになると考えている。それは現在の低所得者対策が労働を優先した制度設計になっていること、求職者支援制度や生活困窮者自立支援制度が最低生活費以下であるため生活保護基準以下の人々を発生させること、そして、この間の生活保護基準引き下げは「生活保護受給者と低所得者との均衡」を根拠に行われているため、さらなる引き下げの根拠となり得るためである。
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研究実績の概要 |
本研究課題は3年間で取り組む予定である。1年目(2023年度)は、①2000年以降の低所得者対策(生活保護制度の自立支援プログラム、求職者支援制度、生活困窮者自立支援制度)や対策を後押しする理論に関する資料の収集と分析を行い、②各地方での低所得者対策を実施する機関(行政機関と民間機関)に聞き取り調査を行う予定であった。 ①については2000年以降の低所得者対策に関する資料の収集と分析が順調に進んだため、学会で研究報告を行ったり、図書の内容にその成果を反映させた。低所得者対策を後押しする理論に関する分析も行う予定であったが、低所得者対策の政策動向や研究動向の分析を中心に行ったため、この点は不十分であった。②については低所得者対策を行っている機関(特に行政機関)には聞き取り調査を行うことはできたが、2023年度時点では成果をまとめて発表するに至っていない。2024年度以降も継続して取り組む予定である。 2023年度の研究実績としては図書と雑誌論文(依頼された短文原稿含む)が中心であった。①と②の成果をまとめて発表するというよりは部分的な成果発表に留まった。やはり、学会報告を行って学術論文として成果を発表することが課題だと認識している。 現時点では低所得者対策が「社会保障と労働政策が一体的に論じられることによって、労働が優先されて最低生活保障の基盤を掘り崩す」という課題設定を正しいと考えているが、課題自体の検討もしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の①については低所得者対策に関する政策動向と研究動向は情報がオープンになるのが早いので、引き続き資料収集と分析を行っていく。 ②については関西地方と北陸地方を分析対象としているが、比較的大きな自治体である大阪府の大阪市と堺市、京都府の京都市と宇治市、福井県の福井市と敦賀市、石川県の金沢市と小松市での聞き取り調査を行う予定であった。研究代表者の村田が関西地方、研究分担者の神崎が北陸地方での聞き取り調査を行ったが、全ての自治体に対して行えたわけではない。また、調査対象も限定的であった。有益な情報を得ることはできたが、今後に向けた課題も残っている。
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今後の研究の推進方策 |
②については聞き取り調査を実施するため、2024年度から関西地方と北陸地方在住の研究者に研究分担者として加わってもらう予定である。これによって、聞き取り調査をこれまで以上に実施できると考えられる。 ①については研究代表者と研究分担者がそれぞれ情報収集と分析をしつつ、定期的に研究会を開催して意見交換を行う。そして、学会報告や学術論文の執筆などの成果発表へとつなげていく。
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