研究課題/領域番号 |
23K01957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
岡崎 伸 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (40586161)
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研究分担者 |
副島 賢和 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (00649436)
合田 友美 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (20342298)
平賀 健太郎 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30379325)
早野 眞美 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30964184)
西田 千夏 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (60637966)
阪上 由美 大阪信愛学院大学, 看護学部看護学科, 准教授 (60711512)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 小児緩和ケア / いきる体験 / 支援者 / AYA世代 / 生涯教育 / 小児医療 / 小児看護 / 特別支援教育 |
研究開始時の研究の概要 |
小児緩和ケアが必要な方の中でAYA世代において、高校卒業後高等教育にすすめていない方が多く課題となっている。生涯教育の場を大阪教育大学でつくる予定があり、その場を通じて参加者にアンケートなど調査を行うことで、ニーズと生涯教育の効果などを検討する。 また、その支援には何が必要かを専門家で検討しまとめ、一般の方でもわかりやすいような書籍にして発売を行う。 書籍をみた人たちが、各地域において同様の取り組みをすすめられるようになることを目的とする。
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研究実績の概要 |
小児緩和ケア児とは命を脅かす病気がある子どもとされ、その多くが日々の生活に医療依存度が高い状態であるが、「あそび」「まなび」といった同年代の子どもと同様の体験をして生きる権利があるといえる。日本小児科学会は、2022年に「医療における子ども憲章」を発表し、「病気のときも遊んだり勉強したりする権利」を明示しており、その大切さは小児科医師全体の考えでもあると言えよう。 申請代表者らは、2019年度開始の当研究事業において、小児緩和ケア児の生活における全ての体験を「生きる体験」と表して調査分析し、「あそび」「まなび」の重要さを示した。そして、医療・教育・福祉など多職種で支援できるためのガイドブックを出版した。 小児緩和ケア児は医学の発達により長期に生存し、AYA世代(adolescent and young adult)とよばれる16-29(39)歳に達する例が増えている。この時期は心理的に不安定な時期でありながら、学校生活の終了や成人期への移行によって医療・福祉制度がかわることで支援のあり方が大きく替わることが大きな課題とされる。厚生労働省は「移行期医療」として医療の整備をすすめているものの、「生きる体験」の支援は検討されていない。「生きる体験」の主である「まなび」に注目すると、教育基本法第三条に「生涯学習」の記載がありAYA世代にも必要と考えられるが、小児緩和ケア児(者)は多職種の支援が無ければ困難である。私たちは、2019年度開始の研究の経験を活かし、AYA世代の小児緩和ケア児(者)の「生涯学習」へのニーズを調査し、支援の場の実践に生かし、その結果をブックレットにまとめて出版し広く啓発することで、全国の小児緩和ケア児が「生涯学習」の支援を受けられるようにしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児緩和ケア児の生きる体験に基づいたAYA世代の生涯学習のためのガイドブック開発にむけた初年度であり、新しい分野であることから、主任研究員と、研究分担者であつまり、生涯教育について調べ、それぞれの分野から必要と考えられる事項を出し合い、議論を経て要求整理をおこなった。 その中から、調査のために実際にAYA世代になった小児緩和ケア児のための生涯学習の場をフィールドとしてつくることで、その調査の母体となるように考えた。 具体的な場を作るために、整理した要求から、具体的な現場のための要件を定義する作業が必要と考えた。小児緩和ケア児(者)とは余命が限られた者のみを示すのではなく、リスク高い疾患をさすことであり、小児慢性特定疾患の中において、小児がんや心疾患や進行性の疾患がある者がその代表と考えられた。また医療的ケアなどが必要な重度重複障害がある者の中にそれに当てはまると考えられていることから、文部科学省が目指されている、重度重複障害児(者)の生涯教育についてをモデルとして、小児慢性特定疾患の児(者)の代表例として、小児がん経験者を加えて対象とした。その対象者のニーズに合った講師の先生を呼んで、実際の場つくりを計画した。 実際は、研究分担者の平賀、早野が所属する大阪教育大学が主催となり、研究分担者の阪上が所属する信愛学院大学が会場となり、実際に小児慢性特定疾患の児(者)と、重度重複障害児(者)の生涯教育機会について施行した。その中で、参加された児(者)、家族、そしてそれを施行してくれた学生スタッフ、授業を担当した先生から、それぞれヒアリングを行い、次年度の調査を行うための場つくりが達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に創設した生涯教育の場について、主任研究員と分担研究者で、初年度のアンケート結果やヒアリング結果などを十分に検討を行いたいと考えている。 そして、よりニーズに合ったものを目指す。また持続可能性が高い運営ができるように修正を加える。昨年の結果などを多くの人に分かりやすいように印刷する。 そして、本音ども、生涯学習の支援の機会を通年で実施を行う。主催校を分担研究者が所属する千里金蘭大学で行うことで、新たなモデル形成を行う。1年間その機会を行うことでアンケートとヒアリングを行い、さらなる年度にさらにニーズに合った生涯教育ができるようにする。スタッフには受講者と同世代の学生(分担研究者が教鞭をとる大学)をリクルートして、その研修機会は十分に行う。スタッフの学生は病気や障害がないことが多いため、小児緩和ケア児(者)ともとれるような状態の参加者にとってインクルーシブな機会となり、お互いに良い刺激になることを狙う。 参加者、学生、教師の先生からニーズやヒアリングを行い、その経験を話し合うことで、医師、看護師、教師、など多職種がそれぞれの職種としての役割の認識を深められ、その専門性と連携の両方の観点から、ガイドブックについて執筆を行い発行を行う。
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