研究課題/領域番号 |
23K01967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
坂本 達昭 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80710425)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中学生 / 調理 / 栄養格差 / 自信 / セルフエスティーム / 食事支援 / 調理スキル / 自己肯定感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,食材提供と調理体験をパッケージにした食事支援プログラムにより中学生の栄養格差を縮小することを目指している。プログラムでは提供された食材を用いて,中学生自らが食事を作り,適切な栄養素を確保するのと同時に,食の自立に寄与する「料理スキル」と健全な成長の土台となる「自己肯定感」の向上を目指している。 新たな切り口から,従来の食事提供に代わる,食事支援策のエビデンスの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
【目的】我々は,これまでに小学4~6年生を対象とした調理実習プログラムにより参加者の調理スキルとセルフエスティームの向上することを確認してきた。このプログラムは,安全面に配慮し,包丁,コンロを使用せずに食材も生肉や魚を除いたものに限定したもので,習得できる調理スキルが限定的である。対象学年の幅を広げ,より実用的な調理スキルを習得できるプログラムが求められる。本研究では中学生向けに,包丁で切る,炒める,煮るといった実用的な調理操作を取り入れたプログラムを作成し,このプログラムの実施可能性を検討することを目的とした。 【方法】研究デザインは,前後比較デザインとした。中学1~2年生(26名)を対象として夏休み期間に全5回(週1回)のプログラムを実施した。小学校で学習する炒める調理に加え,中学生に求められる,煮る調理操作を習得することをプログラムの目標とした。毎回,参加者には,食材および調理手順を解説した動画を提供した。各回の調理終了後に,参加者に振り返りシートを提出させたうえ,研究実施者から参加者個人にフィードバックのメッセージを送った。プロセス評価として,各回終了後に難易度や楽しさ等をたずねた。プログラムの介入効果は,プログラム参加前後の調理スキル,調理に対する自信,セルフエスティームの変化から評価した。 【結果】参加者の調理の取り組み回数は,全5回22名,4回3名,3回1名であった。プロセス評価の結果は,概ね良好であった。調理スキルの平均値(標準偏差)は,プログラム参加前からプログラム参加後にかけて有意に向上し(p<0.001),調理に対する自信も参加前から参加後にかけて有意に向上した(p<0.001)。一方で,セルフエスティームには有意な変化は確認されなかった。 【結論】中学生を対象とした調理プログラムは実施可能であり,調理スキルや自信を高める効果を有する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度行った調理プログラムの課題点を改善したうえで,今年度は対象者数を拡大しプログラムの有用性を確認する。
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