研究課題/領域番号 |
23K01983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
薩本 弥生 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10247108)
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研究分担者 |
佐藤 真理子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (10409336)
島崎 康弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20584270)
田中 稲子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (60345949)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 熱中症予防 / 温熱的快適性 / ヒートアイランド強度 / 日射遮蔽帽子 / 換気孔 / 路面素材 / 警報メール / 高齢者 / 温熱快適性 / サーマルマネキン / 着衣の換気計測-トレーサガス法 |
研究開始時の研究の概要 |
若年者及び高齢者を対象にコロナ禍での暑熱環境下の熱中症予防に向けて,人-着衣-環境に関わる環境の温熱物理量を計測して集積し,同期して人の温熱的快適性や心身負荷の指標となる温熱生理計測および心理計測をし,環境の刺激に対する世代による生理・心理反応の特徴を把握し、熱中症の予兆を判定する指標を構築する.また、熱中症対策として適切な被服や住居の条件を明らかにする.さらに生活者が暑熱環境下でも快適で健康な生活を送られるように支援するため被服と住居による熱中症対策指針を示したICT教材を作成し、それを用いた教育プログラムで体験型ワークショップを実践し、前後のアンケートからリテラシー向上の効果検証を行う.
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研究実績の概要 |
①日射遮蔽帽子の蒸れ対策のため換気孔数4段階の帽子を試作し,小学生児童を対象に実験し,活動量,帽子内温湿度,主観を評価し活動量で群分けし帽子内湿度を条件間で比較した.低群では孔数が少ないほど,高群では孔数が多いほど絶対湿度が低かった.低群では放射熱流入量が寄与し,高群では運動による帽子内換気に伴う蒸発放熱の増大が寄与したと思われる(薩本). ②大学の屋外,屋内2箇所に暑さ指数WBGT計測器を設置し,警報レベルを配信しデータ収集した.運動部所属学生対象に部活中の警報レベルを通知しつつ暑熱対策の実態と警報レベルの有効性を評価する調査を行った.暑熱順化が十分でない6,7月は暑さを感じ易く,不快感と非許容度が高まり,暑熱順化前の警報レベルは主観よりも若干低かった(薩本). ③高経年団地居住の高齢者を対象に調査を行い,夏季の就寝状況と環境の実態,就寝時の採涼手法を把握した.就寝時にACを使用する場合に睡眠快適度が高くなる傾向が見られた.室温27℃前後の環境下においてACによる冷気流曝露が睡眠の質を下げる可能性が示された(田中). ④屋外空間における熱中症リスクの抽出と定量化を目的に,愛知県豊橋市中心市街地の複数箇所と豊橋市郊外(大学構内)において夏季から秋季にかけて環境の同時観測を実施した.観測箇所は都市形態の異なる地点を選定した.結果,豊橋市のヒートアイランド強度は2 ℃程度であり,路面素材より建物や植生による天空率の違いの影響がみられることが判った.これらの知見はICT教材等に反映された(島﨑). ⑤熱中症対策を知識面から支援するために熱中症対策ICT教材を作成し,それを用いた教育実践を行い,前後の調査によりリテラシー向上の検証を行った.高齢者向けには熱中症対策のための被服・住居の工夫に関する体験型の講座を実践した(田中,藤岡,薩本).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
熱中症予防のための帽子の蒸れ防止に関する研究を実施し有用な成果を得た.屋外空間における熱中症リスクの抽出および定量化を目的に,市街地と郊外において夏季から秋季にかけて環境の同時観測を実施し,測定都市のヒートアイランド強度を定量化し,路面素材より建物や植生による天空率の違いの影響がみられることを明らかにした.研究成果を踏まえた熱中症対策指針を示したe-learning教材を作成し,それを用いた教育実践および前後のアンケートより,リテラシー向上の効果検証を行い,一定の成果を得た.各々,計画通り実践し,効果を検証できたため,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
熱中症予防の重要な課題である高齢者は運動時の若年者とはモデルの修正が必要と考えられる.比較的健康な高齢者を被験者に生活実態を把握するための問診票を作成し質問紙調査をするとともに自宅での環境,生理データの実態調査を行う.若年者の運動中のモニタリングシステムには運動着のCAV(Clothing Ajustment Value)を算出し,着衣の負荷を加味して評価する.以上のデータを蓄積し,若年者の運動時あるいは高齢者の日常生活時の常時モニタリングシステムへ応用し,取得したデータからの熱中症行動・状態モデルの構築と新たな評価指標による熱中症予防支援システムを構築する. 人体生理や被服環境,居住環境,屋外環境の熱中症対策指針を示したe-learning教材を作成し大学生向けに教育プログラムを実践しアンケートで効果検証を行った.今後,熱中症対策としてケアが必要な乳幼児向けや高齢者向けのe-learning教材の充実をはかる.高齢者向けには熱中症対策のための被服・住居等の工夫による対策教育プログラムとして体験型のワークショップを実践した.高齢者特有の熱中症リスクを生理的に解説するe-learning教材を活用することでワークショップの効果をさらに向上させたい.また,効果の検証のため事前事後のアンケートの内容を工夫しリテラシー向上を検証したい. 暑熱環境時の熱中症予防のため温熱的に最適な着衣の条件を検討するため,着衣の熱水分移動性能への動作および着衣のデザインによる影響を評価するシステムを構築する.透湿防水性パーカ着装時の着衣の蒸れおよび閉塞型の靴着用時の足の蒸れは未だ解決できない問題であるため,引き続き透湿防水パーカ内環境および靴内環境の評価実験を行い,モデルの構築をめざす.
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