研究課題/領域番号 |
23K01988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
白土 英樹 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40275459)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 天然だし / ストレス低減 / かつお本枯れ節 / かつお荒節 / だし / 香気 / 生理活性 / ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではまず、だしを摂取あるいはだしの香気を吸入した際のストレス抑制作用あるいはストレス緩和作用を検討する。 次に、だしに含まれる遊離アミノ酸を分析し、アミノ酸組成を明らかにするとともに、ストレス低減効果との関係について検討する。 また、だしに含まれる香気成分を分析し、香気成分組成を明らかにするとともに、ストレス低減効果との関係について検討する。 香気吸入によるストレス低減効果を有するだしについて、GC-におい嗅ぎ法によって特徴香気成分を明らかにし、それらの成分とストレス低減効果との関係について検討する。
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研究実績の概要 |
本年度はかつお本枯れ節について、かつお本枯れ節だし、かつお荒節だしについて、だし摂取あるいは香気吸引によるストレス抑制作用およびストレス緩和作用を検証する試験を実施した。ストレス低減効果については、主観的指標としてVisual Analogue Scale(VAS)およびProfile of Mood States Second Edition(POMS2)の2種類の質問紙によって気分の変化を評価した。さらに、客観的指標として唾液クロモグラニンA(CgA)濃度、心拍変動の測定により自律神経活動の変化を評価した。だし摂取では、かつお本枯れ節だしは、VASでは緩和区で高い値を、POMS2においては緩和区で有意に低い値を示した。唾液CgA濃度においては、コントロール区と比較し緩和区で有意に低い値を示した。一方、かつお荒節はVASにおいては緩和区、抑制区ともに有意に高い値を示し、POMS2においては抑制区で負の気分感情が有意に低い値を示した。心拍変動においても、コントロール区に対して抑制区で、有意に低い値を示した。 香気吸引では、かつお本枯れ節だしでは、VASにおいては、緩和区で正の気分状態が有意に高い値を示した。POMS2においては、コントロール区に対して緩和区で有意に低い値を示した。一方かつお荒節だしでは、VASにおいては、抑制区で正の気分状態が有意に高い値を、POMS2においては、緩和区、抑制区ともに正の気分状態が有意に高い値を示した。心拍変動においては抑制区でLF/HFが有意に低い値を示した。 以上の結果から、摂取、香気吸引いずれの場合も、かつお本枯れ節だしはストレス緩和効果、かつお荒節だしはストレス抑制効果を有している事が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、だしを摂取(喫食)した際のストレス抑制作用あるいはストレス緩和作用を検討する予定であったが、研究を開始する際にプロトコールを再検討した結果、主要なだしであるかつお本枯れ節だしならびにかつお荒節だしについて、摂取時と香気吸入時のストレス低減効果を同時に検討したほうが、実験遂行上効率的であると考えられた。そのため、計画を変更してかつお本枯れ節だしならびにかつお荒節だしかつおだしについて、摂取時と香気吸入時の効果について検討した。その結果前者では主にストレス緩和効果を、後者では主にストレス抑制効果を有している事が示唆された。かつおだしであっても製法の相違によって主な作用が異なることを明らかにしたことは学術的に非常に興味深いことである。 令和6年度以降は、かつおだし以外のだしについてストレス低減効果を検討するとともに、かつお本枯れ節だしとかつお荒節だしの相違がもたらされる要因について検討する。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、当初の計画を若干変更して研究を実施した。令和6年度は、令和5年度に実施予定だった、かつおだし以外のだしについて検討するとともに、当初の予定どおり、だしのアミノ酸分析ならびに香気分析を行う予定である。
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