• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

レオロジーの異なる炭酸飲料による嚥下機能への刺激効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K01992
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

岩森 大  新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (90339961)

研究分担者 澁谷 顕一  新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (10392698)
真柄 仁  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード炭酸刺激 / とろみ / 嚥下 / レオロジー
研究開始時の研究の概要

摂食嚥下障害への食事からのアプローチは重要課題の一つとされている. 本研究では, 炭酸飲料におけるレオロジーの違いが嚥下活動及び口腔内感覚に及ぼす影響を解明し, 嚥下障害における嚥下運動改善効果を実証することを目的とする. そこで, 炭酸飲料の食品(レオロジー)特性と, 刺激がもたらす筋機能, 口腔内感覚との関連性を経時的に評価する. 得られた知見は, 嚥下困難者への訓練法や食支援としての活用, さらに炭酸飲料がもたらす快の情動の解明が期待される.

研究実績の概要

2023年度は,申請者が過去に開発した調整法にてとろみ調整を行ことにより,とろみ付与時の炭酸刺激がもたらす嚥下運動の変調について調べた.
被験飲料として,水,炭酸水,炭酸ジュースの3種に加え,トロミスマイルを付与した1.5%とろみ水,1.5%とろみ炭酸水,1.5%とろみ炭酸ジュースの計6種(いずれも5℃)を用いた. 被験者は31名の健常成人とし,それぞれの飲料約20 mlをランダム順にて摂取し,その際の舌骨上筋(顎二腹筋相当部)の表面筋電図及び, 嚥下内視鏡画像を記録した. 口腔内への取り込みから初回嚥下までの嚥下開始時間,ピークまでの上昇時間,筋活動の持続時間,ピーク値で示される最大値,及び全波整流波形の積分値で示される筋活動量を計測した.
得られた結果は以下の通りである. 飲料ととろみの要因分析を目的とした6種の飲料の比較では,嚥下開始時間,持続時間において,とろみ要因で有意に延長した. とろみと炭酸の要因分析を目的とした,水,炭酸水,とろみ水,とろみ炭酸水による比較では,嚥下開始時間,筋活動量においてとろみ要因による延長,増大効果が認められた. 一方で,持続時間においては,炭酸要因による短縮効果が認められた.とろみ炭酸水ではとろみ水に比べ筋活動時間が短縮し,嚥下運動の機動性が見られたことから,炭酸飲料へのとろみ付与は,とろみと炭酸両者の特性を反映した嚥下運動変調効果をもたらすと考えられた.
上述の通り「炭酸ととろみ」に対する嚥下運動の関連を検証できたものの,さまざまな炭酸飲料の特性をより詳細に明らかにするためには,付与される味覚物質(特に甘味や酸味)がもたらす刺激との相互関連をさらに検証する必要がある. また,近年は炭酸飲料専用のとろみ剤も市販されており,そちらを用いたとろみ付与効果も併せて検証していく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の目標は「炭酸飲料特性の解明及び嚥下運動との関連」について解明を進めることであった.このうち嚥下運動とりわけ舌骨上筋肉活動と官能評価による口腔内感覚との関連を検証することについては,順調に進展することができた.得られた知見は論文及び学会発表にて報告した(「9. 研究実績の概要」を参照).さらに,2024年度以降の試験に向けた予備実験を概ね完了した.しかしながら,飲料特性のうち、炭酸ガスと味覚刺激との関与について等一部の計測は予備実験に留まり,更なる解析を必要としているため,(2)おおむね順調に進展しているとした.

今後の研究の推進方策

2024年度は炭酸飲料特性として, 開封前および開封もしくは調整後の炭酸ガス濃度, pHはさらにレオロジー変化を測定する.嚥下運動は引き続き, 筋電図(EMG)及び内視鏡(VE)を用い検証する. 2023年は対象者の舌骨上筋(右顎二腹筋相当部)のみを解析してきたが, 咬筋や舌骨下筋にも測定及び解析を進めることで,各飲料摂取時における口腔・咽頭内への連続刺激などによる嚥下反射の発生を調べる.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 動画による包丁技術習得に関する教育効果の検証2023

    • 著者名/発表者名
      寺尾幸子,岩森大.
    • 雑誌名

      調理技術教育学会誌

      巻: 5 号: 1 ページ: 21-25

    • DOI

      10.50979/cte.5.1_21

    • ISSN
      2435-5488, 2436-2980
    • 年月日
      2023-05-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 様々な呈味成分を活用したとろみ調整えきの口腔内感覚2023

    • 著者名/発表者名
      岩森大, 石井穂乃香,澁谷顕一.
    • 雑誌名

      Precision Medicine

      巻: 6(9) ページ: 57-61

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] とろみと炭酸がもたらす溶液嚥下の変調2023

    • 著者名/発表者名
      板離子, 岩森大, 真柄仁, 辻村恭憲, 井上誠
    • 学会等名
      日本顎口腔機能学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] とろみ飲料における感覚刺激の変調が随意嚥下活動に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      岩森大, 真柄仁, 板離子, 小貫和佳奈, 辻村恭憲, 井上誠
    • 学会等名
      日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi