研究課題/領域番号 |
23K02000
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
上杉 祥太 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主任研究員 (30795901)
|
研究分担者 |
木村 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (30344625)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | フキ属 / 山菜 / 成分育種 / 化学分類 / 健康機能性 |
研究開始時の研究の概要 |
日本原産の山菜であるフキ・フキノトウ(Petasites japonicus)には、「化学分類」と考えられる主成分の多様性が存在する。本課題では、まずフキ・フキノトウにおける成分多様性の詳細な実態解明と健康機能性の発掘・解析を行う。また、含有成分を質的・量的にデザインし、機能性と安全性を最適化することを目的として、優れた成分特性を持つ個体間の交配による成分育種の可能性と有用性を検証する。日本独自の伝統食資源である山菜を研究対象として、化学分類 - 健康機能性 - 植物遺伝育種を融合することで、国産素材の新たな活用法創出に繋げ、健康産業と地域産業に貢献することを目指す。
|
研究実績の概要 |
日本原産の山菜であるフキ・フキノトウ(Petasites japonicus)には、「化学分類」と考えられる主成分の多様性が存在するが、その実態は未解明である。本研究課題ではこの成果を基盤とし、フキ・フキノトウが元来持つ成分多様性の完全な実態解明と健康機能性の発掘・解析を行う。また、含有成分を質的・量的にデザインし、機能性と安全性を最適化することを目的として、優れた成分特性を持つ個体間の交配による“成分育種”の可能性と有用性を検証することを目的としている。本年度は、下記に示す成果を得た。 ・新規ケモタイプを規定するテルペノイドの同定:フキノトウから各種クロマトグラフィーを用いて精製し、目標量の50 mgに近い46.3 mgの主成分を単離した。質量分析とNMRにより、これまでに本植物からの報告が無い化合物X(発表準備中)の同定に成功した。 ・特徴的な成分の個体間含量比較:テルペノイド、ポリフェノール、アルカロイドを対象とし、20コロニー程度の成分分析を行った。個体間差、部位間差について質的・量的な違いを明らかにし、機能性素材として優れた部位を特定した。 ・機能性の探索:本年度同定した化合物Xが、炎症やアレルギーに関与するサイトカインinterkeukin-2の産生を抑制することを明らかにした。 ・F1交配集団の作出:ケモタイプやアルカロイド含量が異なる個体間の交配を実施し、150個体からなるF1交配集団を2組(計300個体)作出した。全個体の子葉の成分分析を行い、後代でのテルペノイドの生産能について情報を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、化合物Xの単離同定、フキ・フキノトウの採取とテルペノイド定量、単離したテルペノイドの機能性探索、交配集団の作出と成分分析を計画していた。これらをすべて予定通りに実施できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
1年目に単離同定した化合物を含めて、これまでに単離や購入により入手した化合物を標品として、さらに多くのサンプルを対象とした成分分析を実施する。 機能性評価については、interleukin-2以外のサイトカインや、免疫代謝を中心としたイベントに対する活性を調べる。 作出した交配集団は、性質が安定した段階で主にフキノトウ(花蕾)の成分分析を実施し、テルペノイドやピロリジジンアルカロイド含量を調べるとともに、収量や形等の栽培適性の評価も行う。
|