研究課題/領域番号 |
23K02006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20465470)
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研究分担者 |
光田 恵 大同大学, 工学部, 教授 (40308812)
棚村 壽三 大同大学, 工学部, 准教授 (90612408)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | におい / 生活経験 / 性差 / 年代差 / 地域差 / アンケート調査 / 高齢社会 / 嗅覚 / 同定能力 / 個人差 / 生活習慣 |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚は視力、聴力とは異なり、自身の能力を知る機会や補正器具がなく、加齢に伴うにおい同定能力変化による生活の質の低下が懸念される。本研究では、超高齢社会を迎えた我が国における在室者に合わせたにおい環境デザインの実現を目指し、アンケート調査、カードキット・ペン型試料を用いた嗅覚同定能力/におい評価調査の実施により、加齢による嗅覚同定能力とにおいの嗜好性などの個人差とその影響要因を明らかにする。特に、嗅覚は味覚と密接に関係し、食事空間のにおい環境は日々の食事の美味しさに関わる。食事空間のにおい環境デザインは健康な生活の基盤となる食生活および住生活の充実のための一躍を担える可能性がある。
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研究実績の概要 |
超高齢社会を迎えた我が国において、空間の利用者や在室者に合わせたにおい環境デザインを進めていくためには、加齢によるにおいの同定能力や嗜好性の違いとその要因を明らかする必要があるが、嗅覚検査により自身の嗅力を知る機会はほとんどないのが現状である。本研究では、世代による嗅覚同定能力および嗜好性などのにおい意識の違いや、それらの個人差が生まれる背景・要因を明らかにすることを目的とする。本研究では①全国規模の調査を実施し、世代による嗅覚同定能力や嗜好性と地域による生活環境、生活習慣との関係を明らかにするとともに、②同様の生活習慣を送っていると考えられる同居家族間での世代によるにおい意識や嗅覚特性の比較を行う。 令和5年度は、調査①に関連し、におい経験・においの認知度と嗜好性についてのアンケート調査結果を分析し、性別・年代による違いを明らかとした。その結果、においの認知度は多くのにおいで男性よりも女性が高く、年齢が高いグループほど平均値が高かった。特に、ばら、メントール、ひのきは若年男性の認知度が低く、樟脳(防虫剤)は男女ともに若年者の認知度が低かった。においの好き嫌いについても多くのにおいで性別・年齢による有意差がみられた。臭気対策の必要性について、においを嫌いな人ほど対策の必要性を感じており、においをよく認知している人ほど好き側の評価をする傾向にあるにおい、嫌い側の評価をする傾向にあるにおい、認知が好き/嫌いに影響しにくいにおいがあることが分かった。 また、同じく調査①に関連し、全国規模の気になるにおいやそのにおいの快・不快度などについてアンケート調査を実施した。地域別に結果をまとめ、各地の特徴を分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りアンケート調査の実施・分析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、まず、令和5年度に実施したアンケート調査の地域別比較の解析を進める。また、新たに、嗅覚同定能力検査を実施し、性別・年代、地域、生活経験との関係について検討する。調査計画の②として挙げていた、同様の生活習慣を送っていると考えられる同居家族間での世代による違いを把握するための調査も行う予定である。調査計画を8月頃までに立て、9月以降に調査を実施する予定である。
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