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睡眠時血圧変動検出に向けた心弾図による脈波伝播速度計測の非装着化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K02029
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

前田 祐佳  筑波大学, システム情報系, 助教 (20650542)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワード睡眠 / 血圧変動 / 脈波伝播速度 / 心弾図 / 非装着
研究開始時の研究の概要

睡眠時の連続的な血圧推定を目的に、心弾図を用いた寝具組込型脈波伝播速度測定システムの開発及び血圧変動の評価を行う。脈波伝播速度とは異なる2点間の生体信号の伝播時間差より血管硬度、血圧を推定するものであり、血圧値の連続推定が可能となる。 寝具組込型脈波伝播速度測定システムに向けた低拘束化によって低品質となる生体信号から、脈波伝播速度の算出方法について検証すること、特に衣服を介した計測が可能となる心弾図の導入が本研究の学術的独自性であり、寝具組込型脈波伝播速度測定システムによる多点計測・重畳した複数生体信号の分離によって課題解決を図る。

研究実績の概要

睡眠時の連続的な血圧推定を目的に、心弾図を用いた寝具組込型脈波伝播速度測定システムの開発及び血圧変動の評価を行う。脈波伝播速度とは異なる2点間の生体信号の伝播時間差より血管硬度、血圧を推定するものであり、血圧値の連続推定が可能となる。 寝具組込型脈波伝播速度測定システムに向けた低拘束化によって低品質となる生体信号から、脈波伝播速度の算出方法について検証すること、特に衣服を介した計測が可能となる心弾図の導入が本研究の学術的独自性であり、寝具組込型脈波伝播速度測定システムによる多点計測・重畳した複数生体信号の分離によって課題解決を図る。
心疾患・脳血管イベント因子である夜間高血圧や早朝高血圧の早期発見は重要と考えられる。しかしカフ装着による圧迫感が患者に与えるストレスや睡眠障害につながる恐れがあることから、早期発見につながる日常的な血圧測定は困難となる。これらの点を考慮し、測定対象者に与えるストレスを最小限に抑えた低拘束な血圧変動モニタリング手法が求められている。そこで本研究課題の学術的問いを「日常生活下への適用に耐えうる脈波伝播速度測定の低拘束化は可能か」とする。非装着で脈波伝播速度計測可能なシステムの開発および脈波伝播速度による連続血圧変動推定法の確立を本研究の目的とした。
本研究の実施計画は、心弾図・脈動を用いた無拘束な生体計測技術、連続血圧測定(非観血連続血圧計)との比較による血圧変動の検出精度検証、血圧推定の精度検証(季節性変動)に大別され、当該年度は主に連続血圧測定(非観血連続血圧計)との比較による血圧変動の検出精度検証を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

夜間高血圧やモーニングサージなどの睡眠時血圧の変化は、脳血管心血管イベントの因子として注目されている。しかしながら現在、睡眠時の血圧変動検出に適した非拘束的な血圧変動計測機器はなく、臨床領域では24時間自動血圧計、研究領域においては中心血圧をカフ加圧するvolume clamp法や手首を圧平するトノメトリ法などの装着型のデバイスにより測定されている。両者とも高額機器であるだけでなく、カフ圧負荷による睡眠障害の恐れがあり、睡眠など日常生活下での長期間観察は難しい。睡眠時の高血圧スクリーニングに向けた非侵襲・非拘束性な血圧変動評価は急務な課題である。一方で生体計測の非侵襲・非拘束化は信号品質の低下を伴うため課題解決が難しい。
睡眠時の非装着生体計測による睡眠時血圧変動の簡易スクリーニングを目的に、寝具組込型脈波伝播速度システムの開発及び血圧動態の評価を行った。脈波伝播速度とは異なる2点間の生体信号の到来時間差より血管硬度、血圧を推定するものであり、血圧値の連続推定が可能と考えられる。
本年度は連続血圧測定(非観血連続血圧計)との比較による血圧変動の検出精度検証に着目し、研究を進めた。従来の血圧推定に関する研究においては連続血圧計ではなく、測定に1分ほど要するカフ式血圧計によって測定された血圧値が真値として用いられてきた。カフ式血圧計は測定に時間を要するだけではなく、測定時の圧迫の影響を除去するために連続した測定を行うことができず、測定間隔を設定する必要がある。このため本来、血圧変動が持つ10秒周期(0.1Hz)ゆらぎであるMayer波の情報が失われている。本研究では非観血連続血圧計によって検出される血圧曲線との比較を行うことで、血圧変動に関する検討を可能とした。当該年度の検証において、血圧変動評価方法の確立がなされたことは、進捗状況としておおむね順調と評価できる。

今後の研究の推進方策

本研究では非装着的な生体計測システムの開発、睡眠時の血圧変動と脈波伝播速度変動の関係を明らかにするとともに、得られた低品質の生体信号から連続血圧変動評価可能な脈波伝播速度を導出することが課題となる。具体的にはvolume clamp法による連続血圧計測との比較から、提案する寝具組込型脈波伝播速度システムが血圧変動検出可能か評価する。
本研究の実施計画は、心弾図・脈動を用いた無拘束な生体計測技術、連続血圧測定(非観血連続血圧計)との比較による血圧変動の検出精度検証、血圧推定の精度検証(季節性変動)に大別される。
本研究では、寝具より収録した心弾図を用いて心拍一拍毎に脈波伝播速度を算出する。連続血圧計との比較から、提案法の血圧変動への追随性を検証する。今後は以下の項目に分けて研究を推進する。
・心弾図・脈動を用いた無拘束な生体計測技術:日常生活下の生体信号計測は非侵襲・低拘束性が求められるが、計測精度と計測手法の侵襲・拘束性はトレードオフの関係にある。申請者らは睡眠時の連続的な血圧推定を目標に、心電図および光電脈波を用いた寝具組込型の脈波伝播速度測定システムの開発を行ってきた。本研究課題では心電図や脈波のように皮膚との接触を要するセンサとは異なり、衣服を介して計測可能な心弾図を用いることにより更なる低拘束化を実現する。睡眠時の生体計測実験を行い、心電図との誤差3%以内での心拍ピーク検出が達成されれば、脈波伝播速度測定への適用が可能と予想できる。
・血圧推定の精度検証(季節性変動):睡眠時の脈波伝播速度測定および連続血圧計測の継続的な計測実験を行い、血圧の季節変動(夏:下降、冬:上昇)に対する血圧推定の精度評価を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Estimating Blood Pressure during Exercise with a Cuffless Sphygmomanometer2023

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Kenta、Maeda Yuka、Yoshimura Takumi、Huang Ming、Tamura Toshiyo
    • 雑誌名

      Sensors

      巻: 23 号: 17 ページ: 7399-7399

    • DOI

      10.3390/s23177399

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 信号品質分類および二波長の光電容積脈波センサを用いる体動ノイズ除去手法の開発2024

    • 著者名/発表者名
      今泉瑛、前田祐佳、若槻尚斗、海老原格
    • 学会等名
      第33回フロンティア講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 連続血圧計を用いた PAT と血圧の運動時特性の検証2023

    • 著者名/発表者名
      小野鴻希、吉村拓巳、前田祐佳、田村俊世
    • 学会等名
      第62回日本生体医工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Development of Blood Pressure Estimation System for Detection of Blood Pressure Fluctuation during Exercise2023

    • 著者名/発表者名
      前田祐佳、林健太、吉村拓巳、田村俊世
    • 学会等名
      第62回日本生体医工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Motion Artifact Reduction System Using Dual-Wavelength Photoplethysmogram for Pulse Rate Monitoring in Daily Life2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Imaizumi, Yuka Maeda, Naoto Wakatsuki, Tadashi Ebihara and Koichi Mizutani
    • 学会等名
      IEEE GCCE 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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