研究課題/領域番号 |
23K02032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松本 和浩 静岡大学, 農学部, 教授 (60508703)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 栽培技術 / 赤果肉 / 細胞壁 / 調理 / ジャム / ペクチン / 成熟 / テクスチャー / リンゴ / クッキングアップル |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、「ブラムリー」の果肉熱崩壊性について、ペクチンの加水分解に加え、細胞骨格を担うセルロース、ヘミセルロースの分解が要因であることを明らかにした。一連の研究の中で、研究代表者が新たに開発した果肉の赤いクッキングアップル「HFF60」は、特定の条件下でのみ熱崩壊性を示し、ブラムリーとは熱崩壊性機構が異なることも明らかにした。本研究では、HFF60を異なる栽培条件で栽培し、異なる成熟段階の果実を採取し、熱崩壊性機構を、細胞壁成分の化学的解析に加え、組織形態学的観察、酵素化学的調査により明らかにする。そのうえで、消費者が赤色のジャムを家庭で手軽に作成できる果実収穫のタイミングを特定する。
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研究実績の概要 |
2016年に弘前大学が品種登録した赤果肉リンゴ品種HFF60は、既存の日本品種と異なり、熱崩壊性を有する。しかし、熱崩壊性は不安定であることから、そのメカニズムを解明し,熱崩壊性を安定させることが必要不可欠である。さらにHFF60は、9月下旬に収穫される中生品種であることから、近年の温暖化により果肉着色が不安定であることも課題となっている。本研究は、これらの課題解決のために、以下の2つの実験を行った。 第一の実験は、樹勢の強弱(マルバカイドウ台木/M26台木)、結果枝の長さ、人工受粉の有無、植物成長調整剤(ジベレリン/MCP)処理の有無による果実品質への影響を調査した。樹勢の強弱、結果枝の長さ、人工受粉の有無では果実品質に特筆すべき差異は認められなかった。一方、ジベレリン/MCPを処理した果実の品質は、過熟期においても硬度が低下することなく、高い硬度を維持した。 第二の実験は、成熟程度によって異なる熱崩壊性とその要因解明についての検討を行った。果実のサンプリングは、適期とみなされた9月20日とその前後2週間の早期・中期・後期の3期で行ったところ、熱崩壊性がみられたのは中期の一部と後期の果実のみであった。中期は熱崩壊性にばらつきが見られ、硬度のばらつきが大きく、硬度が低いものでのみ熱崩壊がみられた。 以上の結果から、HFF60の栽培条件について、ジベレリン/MCPの処理は、果肉硬度の維持には有効であったが、処理に伴う1カ月程の収穫期の後進は果肉着色を改善しなかった。一方、HFF60の熱崩壊性は、果肉の硬度が低下した果実のみでみられることが明らかとなった。なお、歴日に基づき、3期にわけた果実では、それぞれの収穫期の果肉硬度に大きなばらつきが発生した。そのため、来年度は同一日に一斉収穫した果実を硬度別に分類し、硬度と熱崩壊性との関係を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにない気候のため,果肉が着色せず,果肉硬度の低下も著しかったが,最低限のデータ収集は行えた.このような,気候変動に備え,2年以上同様の実験が行える備えをしていることから,次年度,1年目の結果を踏まえた発展した実験が問題なく行える予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ペクチン、ヘミセルロース、セルロースなどの各細胞壁成分の分析を進めていく予定である。また、2年目となる2024年度は、気象の影響を調査するため、2023年度と同様に熱崩壊性の機構解明に関する実験を行う予定である。なお、そのサンプリング方法は、2023年度の実験の結果より、成熟期を収穫日によって分類する方法を用いるのではなく、同一日に一斉収穫し、果肉硬度によって成熟期を早熟・適熟・過熟の3期に分類することが有効的であると考え、サンプリング方法を改善して実験に取り組む予定である。さらに、得られた成果については、12月に行う市民に向けた講座において、紹介する予定である。
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