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母子世帯の居住貧困を救済するソーシャル大家事業レシピの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K02045
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関追手門学院大学

研究代表者

葛西 リサ  追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (60452504)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード住宅確保用配慮者 / シングルマザー / シェアハウス / 居住支援 / 子どもの貧困 / 居住貧困 / ソーシャル大家 / 新しい公共 / 空き家活用 / 住宅確保要配慮者
研究開始時の研究の概要

本研究は、母子世帯の居住貧困がこれまでの硬直的な住宅制度では解決せず、民間力を活用した柔軟なハコと仕組みによって救済されるというスタンスにたち、普遍的に応用できる「ソーシャル大家事業レシピ」の開発を到達目標とする。本研究では、①公民連携型、かつ、②公民の既存ストックを活用した居住支援母体を「新しい公共」と捉えると同時に、この2つの条件を備える事業をソーシャル大家業と称す。本調査が対象とする民間の範囲は、NPO、社会福祉法人、生活協同組合、企業を含む営利事業者であり、既存ストックとは、民間の空き家、公営住宅の空室を指す。

研究実績の概要

本研究は、母子世帯の居住貧困が、これまでの硬直的な住宅制度(公営住宅の直接供給等)では解決せず、民間力を活用した柔軟なハコと仕組みによって救済されるというスタンスにたち、他地域でも普遍的に応用できる「ソーシャル大家事業レシピ」の開発を到達目標とする。なお、本研究では、(1)公民連携型、かつ、(2)公民の既存ストックを活用した居住支援母体を「新しい公共」と捉えると同時に、この2つの条件を備える事業をソーシャル大家業と称す。なお、本調査が対象とする民間の範囲は、NPO、社会福祉法人、生活協同組合、個人事業主を含む営利事業者、であり、既存ストックとは、民間の空き家、公営住宅の空室を指す。活用される制度や仕組み、資源やプレイヤーは、いずれのエリアでも簡単に調達できること、つまり、レシピさえあれば構築できること、という条件を付す。
初年度は、当初設定した、居住支援モデル(1.公営住宅目的外使用型、2.新たな住宅SN補助型、3.福祉施設との連携型、4.物件寄贈型ミックス型)の4タイプの事例について現地調査を実施し、その全体像の可視化に努めた。このほか、新たに登場した「ソーシャル大家事業」に該当すると考えられる事例調査を行った。低所得階層を救済する事業モデルについては家賃の不払いリスクや入居者のケアも含め採算性が薄く運営資金の不足を課題として挙げる事業者は多数を占めた。ただし、新たなセーフティネット制度における家賃低廉化補助を受給する事業者(月4万円)については、安定的な運営ができると回答しており、同事例については更なる事業の拡大を図っていた。また、公的住宅ストックを低廉な家賃で獲得し、当事者に転貸する事業については改修費の負担は大きいものの、安定的な事業収入を得ることができると回答していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、ソーシャル大家事業を4つのタイプに類型し、それに該当する事例調査を行い、その効果を測るためのバックデータを収集することを目的としている。2023年度は、計画に挙げた6事業者についての実態調査、さらに「ソーシャル大家事業」に該当すると考えられる国内の新たな取り組み(休眠預金等の活用による住宅供給モデルなど)についての情報整理も行った。

今後の研究の推進方策

2年目は、当初の予定どおりソーシャル大家事業を利用する当事者への接近(利用までのプロセス、利用後の生活変化や子どもの状況、事業への総合的な評価など)を試みる。このほか、コロナ禍以降、エネルギー高、物価高等により母子世帯の生活は更に不安定化し、以前にもまして居住支援に対するニーズが高まったとする声も挙がっている。よって、同事業利用者以外のひとり親の住生活実態と居住支援への欲求について把握することを予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 硬直的な住宅政策が生み出す新たな住宅問題 居住支援のダイバーシティを展望する2024

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      Think : 司法書士論叢

      巻: 122 ページ: 96-107

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 高齢者の住まいの選択肢を広げる 第1回 民間賃貸住宅が独居高齢者を受容する仕組みに学ぶ2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      エイジングインプレイス 高齢者の地域居住の推進をめざして 財団ニュース

      巻: 161 ページ: 10-16

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本における居住の貧困2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      公益財団法人日本女性学習財団 ウィラーン

      巻: 830 ページ: 14-15

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 高齢者の住まいの選択肢を広げる 第2回 衰退しゆく公営住宅を救うアイデア2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      エイジングインプレイス : 高齢者の地域居住の推進をめざして : 財団ニュース

      巻: 162 ページ: 15-19

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 深刻化する単身高齢者の住宅問題:家族支援としての住宅政策からの脱却2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      世界

      巻: 976 ページ: 106-114

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 母子世帯の居住貧困に不動産はいかに対峙するか2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      貧困研究

      巻: 31 ページ: 9-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 女性が家を持つことを想定していない社会 フェミニズムの視点から日本の住宅政策を考える2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      建築ジャーナル

      巻: 1350 ページ: 8-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] シングルマザーと性的少数者の住まいから考える2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ
    • 雑誌名

      建築ジャーナル

      巻: 1351 ページ: 33-35

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] LGBTに対する居住政策に関する研究(その1):民間賃貸住宅での現状の取り組みと課題2023

    • 著者名/発表者名
      葛西リサ、長谷川洋
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] LGBTに対する居住政策に関する研究(その2):同性カップルに対する公営住宅制度の運用実態2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川洋、葛西リサ
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The situation of Shared housing for single mother households solving their housing poverty2023

    • 著者名/発表者名
      Lisa Kuzunishi
    • 学会等名
      The 12th East-Asian Inclusive Cities Network Workshop
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Single-Mother Households & Housing Poverty in Japan -- the Social Role of Shared Housingー2023

    • 著者名/発表者名
      Lisa Kuzunishi
    • 学会等名
      Shrinking Domesticities seminar, University of Tokyo, 17-19th July
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] ジェンダー事典2023

    • 著者名/発表者名
      ジェンダー事典編集委員会
    • 総ページ数
      800
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308875
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?2023

    • 著者名/発表者名
      森達也編著
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      論創社
    • ISBN
      9784846022372
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 都市を学ぶ人のためのキーワード辞典これからを見通すテーマ242023

    • 著者名/発表者名
      饗庭伸編著
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      学芸出版社
    • ISBN
      9784761528706
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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