研究課題
基盤研究(C)
本研究は、〈人を全体的にとらえるとはどういうことか〉という哲学的問いの解明に向け、アメリカ哲学と後期ウィトゲンシュタイン、カベルの日常言語哲学の交差を通じて、現行の教育を覆う全体性の形而上学的ドグマを解き、日常実践の中の個別性・多様性・分離性を引き受ける可変的な「文脈的全体性」への思考様式の転換を図る。欧米との哲学対話を通じ、アメリカ哲学が、包摂を志向するコモンスクールの発想を超えて、個を緩やかにつなぎ、異なる者への美的想像力を育む「アンコモンスクールの教育」(H. D. ソロー)の実現に果たす実践的意義を解明する。