• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ヒューマン・エンハンスメント論に対する教育学的応答のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K02058
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関京都教育大学

研究代表者

神代 健彦  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (50727675)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードヒューマン・エンハンスメント / 学力 / 資質・能力 / 教育学
研究開始時の研究の概要

本研究は、国内外におけるヒューマン・エンハンスメントに関する最新の応用倫理学の知見を渉猟し、その成果をとくに学力論や資質・能力論の観点から吟味することで、近未来技術としてのヒューマン・エンハンスメントに対する教育学的な応用を行うための基盤を形成することを目的としている。
補助事業期間中は、ヒューマン・エンハンスメント関連文献等の知見を学術雑誌やウェブサイト等で積極的に紹介するなどして、国内における本テーマの研究活動の水準を向上させられるようつとめたい。さらにその知見を現在の日本の教育学における議論と接続し、近未来技術であるヒューマン・エンハンスメントに対する教育学的な応答を試みたい。

研究実績の概要

本研究は、国内外におけるヒューマン・エンハンスメントに関する最新の応用倫理学の知見を渉猟し、その成果をとくに学力論や資質・能力論の観点から吟味することで、近未来技術としてのヒューマン・エンハンスメントに対する教育学的な応答を行うための基盤を形成することを目的としている。
第1年目にあたる2023年度は、ヒューマン・エンハンスメントに関するアメリカの応用倫理学の研究を渉猟することを課題とした。結果として、①ヒューマン・エンハンスメント技術は、これまで教育学が課題としてきた人間形成の諸側面を補完ないし代替する可能性があること、②応用倫理学領域においては、その補完ないし代替を積極的に推し進めるべきとするヒューマン・エンハンスメント肯定派と、それらが人間社会の基本的価値を毀損すると主張する否定派が存在していること、③ただしそれらの対立図式は、個別具体的なヒューマン・エンハンスメントの対象や手法の設定によって大きく変動すること、が明らかとなった。
なお、こうしたヒューマン・エンハンスメントに関する基本的な議論の構図について整理・紹介することは、日本の教育学研究においても重要と考えられる。そのため2023年度は、当初の予定を一部変更して、研究内容の一部を書籍として公刊した。神代健彦・後藤篤・横井夏子『これからの教育学』(有斐閣、2023年)の第13章「テクノロジーを教育学する」の第3節「教育の次に来るなにか」がそれである。そこでは、2023年度に渉猟したアメリカの応用倫理学の議論を整理・紹介している。こうした議論は現在進行形で推移しており、これを継続的にフォローアップして日本の教育学界に紹介していくことの意義は大きいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では、2023年度はアメリカの応用倫理学領域におけるヒューマン・エンハンスメントの議論状況について整理するという基礎作業を遂行する予定であった。その作業は順調に遂行された。具体的には、アメリカの応用倫理学領域におけるヒューマン・エンハンスメント肯定派と否定派という議論の構図を整理するとともに、それぞれのロジックについて一定の見通しを得た。
また、そうした基礎作業の確実な遂行に加えて、2023年度は、当初予定にはなかった研究成果の公表を行った(神代健彦・後藤篤・横井夏子『これからの教育学』有斐閣、2023年)。
研究の予想以上の進展により、その一部を成果として公刊できたことは、本研究が当初の計画以上に進展していることを示していると考える。

今後の研究の推進方策

2024年度以降も、当初の計画に沿って、ヒューマン・エンハンスメントに関する国内外の議論状況を整理するとともに、それらが日本の学力論や資質・能力論に与える潜在的な影響、インプリケーションについて検討していきたい。また、2023年度に研究成果の一部を公刊したことにより、この知見に対する研究者からの一定のフィードバックが得られたことは、今後の本研究の進展にも大いに裨益すると考えられる。2024年度以降も、研究成果の公表については継続的に試みていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コモンについて―人間を中心にしすぎない公教育原理の素描―2023

    • 著者名/発表者名
      神代健彦
    • 雑誌名

      教育学年報 公教育を問い直す

      巻: 14 ページ: 309-326

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 承認の社会理論は評価を変えるか? ―概念の整理と教育学的翻案の試み―2023

    • 著者名/発表者名
      神代健彦
    • 学会等名
      教育目標・評価学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 戦後日本における民間教育研究運動史の試み ―個別民間教育団体の布置関係を描く―2023

    • 著者名/発表者名
      前田晶子・大西公恵・神代健彦
    • 学会等名
      日本教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] これからの教育学2023

    • 著者名/発表者名
      神代 健彦、後藤 篤、横井 夏子
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641200067
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi