研究課題/領域番号 |
23K02067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小入羽 秀敬 帝京大学, 教育学部, 准教授 (70609750)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 私立高校 / 授業料補助 / 就学支援金 / 高等学校等就学支援金 / 私立高等学校 / 私学行政 / 都道府県 |
研究開始時の研究の概要 |
各県における私立高校就学支援金の支給額決定のメカニズムを解明することが本研究の課題である。具体的には、各都道府県における私立高校就学支援金の財政制度分析、実際の財政データを用いた統計分析、そして県の担当者に対するインタビュー調査を実施することによって明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は私立高校就学支援金支出における県による差異発生のメカニズムについて検討することである。私立高校の就学支援金制度は主に国庫支出金によって財源措置されているが、各県が独自財源によって上乗せ等を行っていくため、県による授業料補助の実態は大きく異なる。本年度では、各都道府県における私立高校就学支援金支出の制度の実態について検討した。具体的には、文部科学省の公表している各県における私立高校就学支援金の状況調査からデータセットを作成し、分析を行った。2020年度に国は私立高校就学支援金制度を変更し、年収590万円未満の世帯まで授業料補助を年額39万6000円国庫支出金によって保障することになった。その制度変更の前後において、各県がどのような制度変更を行ったのかを明らかにした。 その結果、就学支援金制度分析にあたって必要な視点を以下のように示すことができた。第1に、全都道府県の状況を比較することによって、国による補助額の引き上げに伴って県の独自上乗せ補助が年収590万円以上の世帯にも行われるようになったことである。上乗せ補助の形態は県によって異なるが、近隣自治体で類似の制度を採用するケースが見られた。第2に、各県における社会経済的要因との関連性の検討である。上乗せの実態は県の財政状況に加えて、世帯収入や授業料の動向等とも関係していると考えられる。それら変数を検討する必要性がある。 上記の研究成果は、日本教育行政学会第58回大会(2023年10月15日)にて報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
県全体の状況把握について、2020年度を基準とした比較分析を行う過程でデータセットの作成を行うことができた。また、その成果については学会での報告を行い、論文として投稿することができた。国レベルでの制度分析は行えた一方で、県レベルでの制度分析は一部しか行われていないため、これは次年度以降の課題とする。
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今後の研究の推進方策 |
次年度については、第1に、主に社会経済的要因を変数化した上で、データセットの作成を行う。県ごとの就学支援金がどのような要因によって決定するのかについて分析を行う。第2に、県の事例分析である。近隣県が類似の制度を取りやすいという本年度の知見から、隣接県をセットで分析を行う予定である。第3に、本年度に一部進行していた県レベルでの制度分析を行う。分析対象とする県は事例分析との整合性を図る予定である。
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