研究課題/領域番号 |
23K02110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
山崎 由可里 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60322210)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 感化院 / 感化院長会議 / 感化教育会 / 建議 / 児童鑑別 / 行政審議会 / 感化教育 / 感化法 / 少年教護法 / 行政調査会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、感化・教護教育史における障害児問題の展開を明らかにする研究の一環として、感化院入所児童中の指導困難な障害児らに注目し、中・小規模感化院から見える新たな感化教育史像を描出することを目的とする。研究代表者は、これまで都市に立地した大規模感化院では「特別学級」開設など処遇困難児への特別な対応がなされたことを解明した。今回の研究では、感化院の大半が地方に立地し中・小規模であった点をふまえ、感化教育会が結成された1920年代から少年教護法制定(1933年)までを対象に、感化院における特別な処遇や入所児童の実態等を解明することで、指導困難な障害児はいかに扱われてきたかを明らかにすることをめざす。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は感化院入所児童中の指導困難な障害児らに注目し、中・小規模感化院から見える新たな感化教育史像を描出することである。研究代表者は、これまで都市に立地した大規模感化院では「特別学級」開設など処遇困難児への特別な対応がなされたことを解明した。今回の研究では、感化院の大半が地方に立地し中・小規模であった点をふまえ、感化教育会が結成された1920年代から少年教護法制定(1933年)までを対象に、感化院における特別な処遇や入所児童の実態等を解明することで、指導困難な障害児はいかに扱われてきたかを明らかにすることをめざす。 このような研究目的を達成するための基礎的作業として、本研究全体を通して必要な資料の渉猟・整理が不可欠である。そこで、研究初年度の2023年度は、2つの課題を設定した。第1に、おおよそ1900年感化法~1933年少年教護法制定までの感化院長会議録の渉猟・入力等の作業である。その理由は、会議録は院長をはじめ感化教育実践者が学科や実科など教育実践上の課題や指導困難児への対応などを話し合った記録であり、且つ会議で決議された内務省や文部省への「建議」も記録されているためである。この間の感化院長会議は、地方ごとの会議も含め63回の会議開催されたことを確認した。そのうち、3件が未渉猟であり、今後も引き続き会議録の渉猟・入力作業に取り組む。 第2に、各院長会議での発言(者)について、各施設の入院定員をもとに分類することである。施設の規模とは、①入院定員100名以上の大規模施設(国立武蔵野学院、大阪修徳学院、愛知学園、兵庫県土山学園など6施設)、②50~78名前後の中規模施設(埼玉学園など9施設)、③他の5~40名の小規模施設(青森学園、進徳学院など42施設)である。2023年度中は①②のすべて、および③の3分の2ほどを整理したところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にあたる2023年度は、研究期間を通して必要となる基礎的資料を作成するため、以下の作業に取り組んだ。 第1に、研究期間(おおよそ1900年感化法~1933年少年教護法)における感化院長会議録の渉猟・入力等の作業である。この間の感化院長会議は、地方ごとの会議も含め63回の会議開催を確認した。そのうち、3件が未渉猟であり、今後も引き続き渉猟・入力作業に取り組む。 第2に、各院長会議での発言(者)について、各施設の入院定員をもとに分類する作業を行った。施設の規模とは、おおよそ100名以上の大規模施設(国立武蔵野学院、大阪修徳学院、愛知学園、兵庫県土山学園など6施設)、50~78名前後の中規模施設(埼玉学園など9施設)、他の5~40名の小規模施設(青森学園、進徳学院など42施設)である。この作業は、施設の規模や立地場所などで各施設が直面している課題の相違点を明らかにすることや、施設の規模や立地場所などに関わらず全国の感化院で共通した課題を明らかにするための基礎作業である。 以上のように、2023年度は研究全体を網羅する基礎的資料の収集・入力を行い、研究機関を網羅する基礎資料の作成がほぼ終えることができた。そこで、(2)おおむね順調に進展している と判断するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、以下の3つの研究課題に取り組む予定である。第1に、2023年度でわずかにやり残している基礎的資料の渉猟・整理を早々に終えることである。第2に、小規模感化院の刊行物(要覧・紀要・記念誌など)、教務記録や児童記録などである。具体的には、これまでの資料調査で所在を確認している施設のもの(小規模施設…青森学園・淡海学園など、中規模施設…埼玉学園など)、および国立武蔵野学院図書資料室所蔵のものである。第3に、院長ら感化教育実践者の経歴(前歴・学歴など)著作・日記・備忘録などである。以上の資料のうち、とりわけ手書きの会議録や各施設・武蔵野学院図書資料室所蔵の教務記録などは、一次史料として史料的価値を持つ。 これらの資料を分析する視点は、施設の規模、立地場所、入所児童の実態、院内教育の内容や方法などである。院長ら感化教育実践者が実践的に困難さや課題と感じたこと、そしてそれらを解決するための院内での工夫は、施設の規模や立地場所(都会か地方かななど)、児童の実態によって異なると考えるからである。 以上により、指導困難な障害児らに着目し、中小規模感化院から見える新たな感化教育史像を描出することを試みる。また、特に第1の課題に関する研究成果をまとめ、学会発表や論文執筆に取り組む。
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