研究課題/領域番号 |
23K02114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
半田 淳子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90282780)
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研究分担者 |
星野 あゆみ 玉川大学, 教育学研究科, 教授 (30804033)
小松 万姫 国際基督教大学, 教養学部, シニアレクチャラー (00973992)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 国際バカロレア / 教員養成 / 地域横断的 / リーダーシップ教育 / 実践的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
教育のグローバル化の流れを受けて、国際バカロレア(IB)教育の指導方法(探究型の学びや概念理解を重視した指導)や教育的リーダーシップの育成が注目を集めている。国内でIB教員養成を行っている2大学が協働して、地域横断的な研究として、複数のIB教員養成課程のカリキュラムの比較調査や修了生の動向調査、IB認定校への聞き取り調査を行い、カリキュラムの妥当性や過去の成果を検証する。また、教育的リーダーシップ育成のための教育セミナーやワークショップ、IB教育への理解を深めるための対面交流事業を企画し、その教育的効果を検証する。本研究は、21世紀の日本の教員養成課程に必要な要件を明らかにすることができる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、①国内外の国際バカロレア教員養成プログラムに関しての文献調査、②教育的リーダシップ育成のための対面交流事業の実施、③IB認定校の訪問及び国内外の学会への参加の3点を研究成果として挙げることができる。 まず、①の文献調査に関してだが、IBEC University Directoryの2023年度版及び2024年度版を入手し、世界の国際バカロレア教員養成の実施状況を把握するとともに、各大学の公式ウェブサイトにアクセスし、更なる情報収集を行った。並行して、各大学が卒業生に対して行っているExit Surveyを収集し、分析を開始した。 ②の対面交流事業だが、2024年2月24日に国際基督教大学において「教育現場におけるカリキュラムマネジメント」と題するワークショップを開催した。当日は、全国から多様な学校種や立場の教育関係者が25名ほど参加し、「理想の学校づくり」というテーマで、グループ作業を行い、知見を出し合い、カリキュラムマネジメントの重要性について全体で共有した。参加者からは、こうしたワークショップの定期的な開催を望む声が聞かれた。 ③の学校訪問や学会への参加に関してだが、2023年9月に日本国際バカロレア教育学会に参加し、教員養成プログラムの開発に関する具体例を得た。また、2024年3月20日には韓国・大邱市で開催されたIB教員養成プログラムの国際会議に出席し、他大学の教育養成プログラムに関する知見を深めることができた。また、2023年12月にはさいたま市のIB認定校を訪問し、授業や校内ワークショップを見学する機会を得た。これらの学校訪問や学会参加の結果、現職のIB教員を対象とする定期的なワークショップの実施が教員の授業力の向上に不可欠であることを確信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究開始1年目に当たる2023年度は、当初の計画通り、国内外の国際バカロレア教員養成プログラムに関しての基礎的な文献調査を開始することができた。具体的には、IBEC University Directoryの2023年度版及び2024年度版を入手し、世界の国際バカロレア教員養成の実施状況を把握するとともに、各大学の公式ウェブサイトにアクセスし、カリキュラムやシラバス等に関する情報収集を行った。 また、IB認定校を訪問し、教育実習を担当している教諭への聞き取り調査も1校のみであるが予定通りに行った。学校訪問では、IBの授業見学のみならず、校内ワークショップに参加する機会も得て、現職教員の研修の場として、いかに定期的なワークショップの実施が重要であるかを実感した。この時の経験を活かし、2024年2月24日にIB教員を招き国際基督教大学において「教育現場におけるカリキュラムマネジメント」と題するワークショップを開催した。ワークシップのテーマは新学習指導要領でも強調されているカリキュラムマネジメントで、教育的リーダーシップを育成する上でカリキュラムマネジメントの重要性を再確認した。 2023年度は、並行して、IB教員養成プログラムを修了した学生のExit Surveyを収集し分析を開始したが、ここでもカリキュラムマネジメントの重要性が示唆された。IB教員養成プログラムに対する学生の満足度とカリキュラムやシラバスの関連性を明らかにするために、IB教育に関する資料の収集や分析も開始した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は前年度に行った文献調査の継続に加えて、現行のIB教員養成プログラムのシラバスやカリキュラムの妥当性の検証を中心に研究を行う予定である。まずは収集したExit Survey(修了生の出口調査)の結果を分析する。次に、その内容を踏まえ、IB教員養成課程を修了した卒業生へのアンケート項目を整理し、調査を行う予定である。特に、現在、IB認定校に勤務している修了生やIB認定校以外の学校の教員になった修了生に対しては、大学での学びの効果に関して、対面でのインタビュー調査を行う予定である。また、前年度に引き続き、IB認定校を訪問し、担当教員に対してIB教員養成プログラムのカリキュラムに対する要望について聞き取り調査を行う予定である。さらに、2023年度に実施して好評であった教育的リーダーシップ育成のためのワークショップも開催する予定である。
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