研究課題
基盤研究(C)
本研究は,朝鮮総督府による義務教育制度の構想と導入計画を明らかにすることにより,従来,任意就学を前提とする公教育として捉えられがちであった植民地朝鮮における初等教育を,義務制という観点から再定義することを目的としている。1940年前後の朝鮮では,義務制の導入を柱とする初等教育改革に着手され,ダイナミックな教育制度の転換が図られようとしていたにもかかわらず,これまでの研究ではそのことについて十分に論じられてきたとは言い難い。本研究は,こうした状況を踏まえ,義務教育制度導入に向けた動きの詳細を明らかにすることにより,植民地朝鮮における初等教育の捉え方に一石を投じようとするものである。