研究課題/領域番号 |
23K02117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山下 達也 明治大学, 文学部, 専任教授 (00581208)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 植民地朝鮮 / 義務教育 / 初等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,朝鮮総督府による義務教育制度の構想と導入計画を明らかにすることにより,従来,任意就学を前提とする公教育として捉えられがちであった植民地朝鮮における初等教育を,義務制という観点から再定義することを目的としている。 1940年前後の朝鮮では,義務制の導入を柱とする初等教育改革に着手され,ダイナミックな教育制度の転換が図られようとしていたにもかかわらず,これまでの研究ではそのことについて十分に論じられてきたとは言い難い。 本研究は,こうした状況を踏まえ,義務教育制度導入に向けた動きの詳細を明らかにすることにより,植民地朝鮮における初等教育の捉え方に一石を投じようとするものである。
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研究実績の概要 |
日本統治期朝鮮における義務教育制度の導入過程に関する研究を進めるうえで、関連公文書の渉猟・整理・分析が必要であり、その作業を進めた。 具体的には、対中国、満州経済活動に関する記録や台湾、朝鮮における植民地行政に関する記録を含む「外務省茗荷谷研修所旧蔵記録」(東京都文京区茗荷谷にあった外務省研修所に未整理状態で保管されていた文書群で、主に昭和4(1929年)から昭和21(1946年)までのもの全1,315冊)の「本邦ニ於ケル教育制度並状況関係雑件」(おもに「外地一般関係」、「朝鮮教育令沿革」、「朝鮮教育令改正参考資料」、「朝鮮関係」、「台湾関係」)より、朝鮮における初等教育の普及・拡充の状況を確認できる関係資料についての調査を行った。なお、「茗荷谷文書」は、昭和戦前期「外務省記録」と同様の各門別に分類された目録により検索、閲覧可能で、現在、A門、B門、E門、F門をアジア歴史資料センターのホームページで閲覧することができるようになっているが、2023年3月現在、台湾、朝鮮における植民地行政に関する記録を含むI門については閲覧できない。そのため、I門の史料については、ゆまに書房がマイクロフィルム化した広瀬順皓監修『外務省茗荷谷研修所旧蔵記録 戦中期植民地行政史料 教育・文化・宗教篇』(平成15(2003)年12月・全26リール)を使用し、関連資料を閲覧・整理した。 それらの成果の一部は、阿部洋編著『朝鮮教育関係公文書解題・目録』(龍渓書舎、2023)に執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の調査、整理のための備品購入や出張を行うことができたことにより、研究課題に関する知見が得られており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は日本統治期朝鮮における義務教育制度導入をめぐる状況を明らかにするため、関連資料の収集を継続するとともに、収集した資料の分析をすすめる。 資料の収集では国内外での調査を行い、加えて研究に関する情報の収集・交換のために関連学会・研究会への参加も積極的に行う。
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