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初期琉球政府の教育カリキュラムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K02123
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関四国大学

研究代表者

杉山 悦子  四国大学, 文学部, 准教授 (60757946)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード琉球政府 / 教育課程 / 試案 / 現代沖縄史 / 戦後教育史 / 占領下 / コース・オブ・スタディ / 文教局 / 教育史 / 沖縄 / 新教育
研究開始時の研究の概要

本研究は、戦後沖縄で編成された「基準教育課程〈試案〉」を分析することによって、1950年代における琉球政府の教育政策が日本の戦後教育改革をモデルとしてきたのか否かについて、実証的に解明する。1960年、琉球政府文教局は改訂を機に「基準教育課程〈試案〉」を廃止し、文部省の学習指導要領に準拠することを告示する。地域の教育関係者の手で編成された沖縄のコース・オブ・スタディは姿を消すこととなった。講和条約発効後、日本との切り離しが決定的となるなか、沖縄の教育指導者たちはどのような将来像を描いていたのか。本研究は、次世代に地域の未来を託そうとした琉球政府の教育戦略を解明することになる。

研究実績の概要

本研究の目的は、戦後沖縄で編成された「基準教育課程〈試案〉」を分析することによって、1950年代における琉球政府の教育政策が日本の戦後教育改革をモデルとしてきたのか否かについて、実証的に解明することである。①唯一現存が確認されている「基準教育課程〈試案〉」のデジタル化のために沖縄県立総合教育センターに訪問し、42の「基準教育課程〈試案〉」の全撮影を終了した。②「基準教育課程〈試案〉」の1つの「英語篇」の分析に取り掛かったところ、沖縄では戦後から1954年頃まで、小学校の正規のカリキュラムとして英語教科を導入していたことが判明した。従来の沖縄教育史研究では、占領下という政治状況によりアメリカ側の強制や干渉によって英語教育を実施したと理解されてきたものの、実際には琉球政府文教局が小学校向けの英語教育課程である「基準教育課程英語篇〈試案〉」を作成していた。この「英語篇〈試案〉」の編成を推し進めたのは、琉球政府文教局の主事の永山政三郎である。ただし永山主事の主眼は、実用的英語よりも、教養としての英語教育にあった。一方のアメリカ側はというと、小学校で英語教育を始めることについては懐疑的で、たとえば米国民政府の教育課長として沖縄に赴任していたハークネス(Kenneth M. Harkness)は、1954年5月の中央教育委員会で「沖縄の子供は言語に於て、二重生活し、その上英語も習うため、負担が重い、英語は中学に行ってから教えてよくないか」と発言していた。つまり、琉球政府初期の小学校英語教育は、米軍側よりも沖縄側の教育指導者層が推奨していたという、いわば“ねじれ”の状態にあったと考えられる。この成果は、論文「戦後沖縄における小学校英語カリキュラムの創設ー琉球政府の基準教育課程を中心にー」として発表している。③今後は、全教科の目次集成を作成し、引き続き他教科の分析を遂行し、初期琉球政府の教育政策を明らかにしていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目標の1つであった「基準教育課程〈試案〉」のデジタル撮影を2023年度内に終了することが出来た。次年度以降の計画を前倒しして撮影を遂行することとした理由は、沖縄県立総合教育センターに保管されている「基準教育課程〈試案〉」が沖縄県公文書館に移管されることが予定されていたためである。これにより当センターに保管されていた「基準教育課程〈試案〉」を無事に撮影することとなり、結果的に、当初の計画以上に進展することができた。さらに、次年度に予定していた教育課程の分析にも取り掛かることもできた。その成果は、論文「戦後沖縄における小学校英語カリキュラムの創設-琉球政府の基準教育課程を中心に-」として発表している。このように、史料撮影の完了および成果の公表により、当初の計画以上に研究を遂行することができている。

今後の研究の推進方策

当初の通り、以下の研究計画を進める。
①デジタル化した「基準教育課程〈試案〉」の分析を順次進める。小学校から中学校の全教科に及ぶことから、段階的に取り組んでいく。
②分析した成果は速やかに公表していく。学会発表と学会誌あるいは学内紀要等に順次投稿・発表する。
③「基準教育課程〈試案〉」の解題作成に取り組む。同時代における日本本土の教育課程と比較しながら分析することを予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 戦後沖縄における小学校英語カリキュラムの創設 -琉球政府の基準教育課程を中心に-2024

    • 著者名/発表者名
      杉山悦子
    • 雑誌名

      四国大学学際融合研究所年報

      巻: 4 ページ: 15-26

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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