研究課題/領域番号 |
23K02132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
末長 英里子 京都大学, 経営管理研究部, 特定助教 (80912310)
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研究分担者 |
蓮 行 京都大学, 経営管理研究部, 特定准教授 (10591555)
紙本 明子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 特任研究員 (20973572)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 演劇教育 / 熟達化 / ワークショップ / ファシリテーション / 質的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、全身を用いた学びをもたらす契機として注目される演劇教育の発展に寄与し、「演劇ワークショップのファシリテーションを行う実践者の熟達化は、いかなる方法で達成できるのか」という問いに解を与える。本研究は、演劇ワークショップの実践者(ファシリテーター)の熟達化支援に向けて、実践者の知を構造的に明らかにすることを目指し、下記3項目を実施する。 ①熟達者・初心者への量的調査による、実践者の困難さ認識の全体的傾向の把握 ②熟達者・初心者の授業実践の質的調査による実践知の解明 ③熟達者・初心者の実践知の比較を通した熟達化支援に向けた課題の考察と提言。
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研究実績の概要 |
本研究では、演劇ワークショップの実践者(ファシリテーター)の熟達化支援に向けて、実践者の実践知を構造的に明らかにすることを目的としている。また、手続き的知識とともに、それら手続きがいつ・どのような場面で用いられるかという判断基準の暗黙知を同時に明らかにすることを目指している。 当初計画では、2023年度中は「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」の完了と、「研究2:熟達者・初心者の授業実践の質的調査による実践知の解明」のデータ収集を目指していた。 2023年度(初年度)は、演劇ワークショップ実践者(熟達者・初心者)による授業実践の参与観察と、熟達者・初心者を対象としたヒアリング調査を行なった。授業実践において観察可能な初心者・熟達者の技術の違いについて検討することと、初心者・熟達者それぞれが実践において認識している困難さと対応の違いについて検討することを目的とした。 現在、ヒアリング結果の質的分析を進めており、【授業実践におけるファシリテーターとしての方略と態度】、【ファシリテーターとして現場で認識している困難さ】、【コーディネーター(学校教員らとの調整役)として認識している困難さ学校教育】のカテゴリーに整理している。熟達者ほど、児童生徒の反応などコントロール不可能な点について「ゆだねざるを得ない」と語るなど、不確定性志向の高さが示唆された。また、困難さに関する語りとして、「学校の先生の教育観」と「ファシリテーターとして目指したい授業」とのズレを認識し、その調整について葛藤を感じている様子が特徴的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では、2023年度中に「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」まで完了する予定であったが、ヒアリング調査からは先行研究と異なる困難さの様相が示唆されたため、2023年度中のアンケート調査の完了は見送った。現在、質問紙設計の検討を進めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した授業実践における困難さ認識のヒアリング調査の結果をもとに、「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」のための質問紙設計を行う。質問紙調査自体は2024年年度を完了したいと考えている。並行して、「研究2:熟達者・初心者の授業実践の質的調査による実践知の解明(2023~24年)」に関して、授業の参与観察と授業実施前後のヒアリング調査を進める。取得した質的データの分析を加速するために、コーディングの指針を策定するなどして、アルバイト調査員に作業を分担できるようにする必要があると考えている。
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