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地方小都市の近代化過程における学校を中核とした文化的ネットワーク構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K02143
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関國學院大學

研究代表者

多和田 真理子  國學院大學, 文学部, 准教授 (00646268)

研究分担者 西島 央  青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (00311639)
瀬川 大  日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (20637334)
木村 元  青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 学部特任教授 (60225050)
大西 公恵  和光大学, 現代人間学部, 准教授 (70708601)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード学校所蔵史料 / 地方小都市 / 近代化 / 小学校 / 中学校
研究開始時の研究の概要

飯田・下伊那地域を対象に、主に1900~1930年代の学校所蔵史料の分析を通じて、近代小学校が地域社会の中核として人間形成に関わりながら文化的ネットワークを構築してゆく過程を明らかにする。その際、地方小都市・飯田の都市的機能に注目し、周辺農村を含む地域社会の変容過程の一環として、学校と地域社会とが相互に影響を与えつつ新たな関係を形成する様相に着目する。
主に当時の職員会記録や学校日誌をもとに、学校内外における教職員の情報共有や諸会議の位相を分析するとともに、地域の近代化に関わる諸団体・個人と学校・学区の結びつきを解明することを通じて、地方小都市の形成過程における学校・学区の機能を分析する。

研究実績の概要

本研究は、1900~1930年代の飯田・下伊那地域を対象に、学校所蔵史料の分析を通じて、近代小学校が地域社会の中核として人間形成に関わりながら文化的ネットワークを構築してゆく過程を明らかにすることを目的としている。とくに、地方小都市・飯田の都市的機能に注目し、周辺農村を含む地域社会の変容過程の一環として、学校と地域社会とが相互に影響を与えつつ新たな関係を形成する様相を描き出すことを目指している。
今年度は、飯田市教育委員会・飯田市歴史研究所の協力を得て、現飯田市域の小中学校について、所蔵史料の所在状況調査に参加した。飯田市歴史研究所が2003年に実施した同様の調査結果と比較すると、史料の所在状況が大きく変化しており、史料の散逸を防ぐためにも継続的な状況把握の重要性を認識するにいたった。また、本研究の主たる対象となる旧飯田町、旧座光寺村、旧竜丘村地域についても、それぞれ学校所蔵史料の状況を把握することができた。目録作成・撮影作業の着手には至らなかったが、今後の作業に向けて、関係者の協力を得ながら調査を進める目処を立てることができた。
また、これまでの調査作業で撮影済みの史料の分析を進めた。計5回のミーティングを実施し、飯田小学校の職員会記録の読み合わせ作業を継続的に行った。1900~1902年度分の記録を精読し、学校が町村の各団体や教育会(信濃教育会下伊那支部)などと関わりながら日常の学校運営を行っている様相を明らかにしてきた。
これまでに継続してきた研究成果および本科研で得られた成果をもとに、第20回飯田市地域史研究集会「飯田下伊那の学制と地域社会―『人づくり』から『ひとなる』へ―」(飯田市歴史研究所主催)の企画に関わるとともに、木村元(研究分担者)の講演および多和田真理子(研究代表者)の報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度に予定していた、飯田市内小学校・中学校の所蔵史料所在状況調査を実施することができた。これまでに得ていた情報は20年前の調査(2003年度)にもとづくものであったが、保存状況などの大きな変化もみられ、現状を把握し今後の調査計画を立てるうえで重要な情報を得ることができた。また、今回の調査で新たに所在を確認できた史料も多数あり、中には本研究内容に大きく関わる史料もあった。
撮影済み史料の内容分析については、1900年代の職員会記録の読解作業に着手し、学校日誌ほかの史料を参照しつつ、論点の抽出および検討を継続的に行うことができている。
第20回飯田市地域史研究集会(飯田市歴史研究所主催、2023年9月)の企画に関わるとともに、本研究のこれまでの成果をふまえた講演(木村元:研究分担者)・報告(多和田真理子:研究代表者)を行い、外部に発信することができた。あわせて、これらの準備・実施段階の議論を通じて、本研究の参加者間で、今後の研究課題について認識を共有した。
一方、学校所蔵史料の目録作成や撮影については、追加的な撮影作業にとどまり、新たな作業への着手にはいたらなかった。いくつかの学校の所蔵史料については、地域のあゆみをたどる貴重な史料として、有志の方たちによる調査や保存活動が始められている。今後引き続き、飯田市歴史研究所の協力を得て、史料を所蔵する学校だけでなく地域の人たちとも協力関係をつくりながら、ていねいに作業を進めていきたい。

今後の研究の推進方策

本研究の主たる対象である、飯田市の旧飯田町・旧座光寺村・旧竜丘村地域の学校所蔵史料について、目録作成・撮影作業に取りかかる。
まずはこれまで未着手の、飯田市立竜丘小学校所蔵史料調査の実施を優先的に行う予定である。2023年度に実施した所在状況調査により、当初想定したよりも大きな史料群であることが確認できた。また、調査にあたっては、すでに地域の方たちによって進められている史料保存の取り組みを尊重し、協力関係をつくりながら、ていねいに作業を進めることに重点を置く。あわせて、以前から調査を進めてきた飯田市立追手町小学校、同座光寺小学校については、仮目録を確認・修正する作業を行う必要があるが、こちらも継続的な史料保存・活用に向けて、地域の方たちとの協力関係に重点を置きつつ進めたい。
上記理由などにより、目録作成・史料撮影などの基礎的作業については、当初2025年度中の完了を目指すとしていたが、さらに時間がかかる可能性がある。
学校日誌および職員会記録の分析については、飯田小学校(現・飯田市立追手町小学校)史料の読解作業を継続的に実施し、2024年度中に成果の論文化を目指す。また、同時期の座光寺小学校職員会記録についても、読解作業に着手し、比較検討を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 明治の「少年」―近代的な少年像の誕生と雑誌『少年世界』2023

    • 著者名/発表者名
      田嶋 一
    • 雑誌名

      ALC REPORT

      巻: 4 ページ: 41-60

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 地域と学校の関係史 ―地域にとっての学校/学校にとっての地域―2023

    • 著者名/発表者名
      木村 元
    • 学会等名
      第20回飯田市地域史研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 小学校の設置・運営と地域社会―飯田下伊那の事例にそくして―2023

    • 著者名/発表者名
      多和田 真理子
    • 学会等名
      第20回飯田市地域史研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 二階堂学園百年誌2023

    • 著者名/発表者名
      創立百周年記念事業記念誌編纂専門部会
    • 総ページ数
      984
    • 出版者
      学校法人二階堂学園
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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