この研究課題は、教育評価の新たな方向性を開拓する、基礎的な研究である。教育評価研究が陥りがちな「主観/客観」という二項対立的な図式を批判し、主観を重ね合わた「間主観性」が有する意義を検討する。「主観/客観」 図式は、歴史的にはさほど古くはない。ここ半世紀は「主観/客観」図式に回収されない、「間主観」関連の研究動向が注目される。「間主観」は現象学的社会学に由来する語で、「自己評価」(安彦忠彦)や「羅生門的評価」(東洋)とも通底する。理論重視の研究課題ともとれるが、日々の教育実践や教育評価の実態からすれば、それらの説明やとらえ直しに益すると目される。
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