研究課題
基盤研究(C)
大正新教育とは、1910年代から30年代前半にかけて初等教育の現場で展開された教育方法の革新運動である。先行研究では、師範学校附属小学校や私立小学校の教育実践を中心に検討が行われ、公立小学校では旧態依然とした教育が行われたというのが通説であった。これまでの研究では、公立小学校の教育実践の検討が中心であり、創造的な実践を生み出す基盤となった学校経営の実態を解明するまでには至らなかった。本研究では、「公立小学校が地域や保護者、児童の抱える課題と向き合うなかで、いかなる『学校経営』の方針を打ち出し、附小や私立小学校とは異なる独自の経営モデルを構築していったのか」という学術的な問いを明らかにしていく。