研究課題/領域番号 |
23K02162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
菅 裕 宮崎大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30272090)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 学習調整 / 協働学習 / 音楽科教育 / 自己調整 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,次に示す工程表に従い,協働的な音楽学習場面における学習調整に関する課題発見のための調査,およびその結果に基づく教員養成カリキュラムの開発と検証の順に計画的に進めていく。主な計画は次の通りである。 令和5年度:協働的な音楽学習場面における課題発見のための調査およびデータ分析 令和6年度:主体的・協働的な学習行動を促進するためのプロンプトの開発と検証 令和7年度以降:教員養成カリキュラムの開発
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研究実績の概要 |
中学校音楽科における中学生の協働的な音楽創作活動中の対話と教師の発言について分析した。その結果,生徒はたちは課題分析や目標設定など,予考段階に相当する思考を積極的に行っていた反面,実施段階・省察段階に関する発言が少ないことが明らかとなった。またグループ活動に対する教師の発言も同様に,作業方略や音楽的なアイデアなど,予考段階に関する指導はあるものの,自分たちの演奏をモニタリングしたり,自分たちの作品を評価したりするなどの実施段階や省察段階に関する指導発言が見られないことも明らかとなった。 次に,グループ学習中のモニタリング場面に焦点を当て,音楽学習における協働的な学習調整にモニタリング発言がどのような影響を与えているのかについて分析を行った。同学年グループ活動を実施した授業と異学年グループ活動を実施した授業中の児童・生徒の対話の分析から,同学年グループよりも異学年グループの方が協働的な学習調整の生起頻度が高いことが明らかとなった。同学年グループでは,発言間の連関が乏しく,対話の内容がグループ課題から逸脱したり,一部のメンバーがグループ活動から離脱したりするなどの場面が多くみられた。これに対し,異学年グループでは,上級生が下級生の課題要求を積極的に聴き取り,その解決のために協調して話し合いを進めていく様子が見られた。これらの結果に基づき,協働的な音楽学習調整を促進する要因,阻害する要因と児童・生徒の協働的な学習調整スキルを高めていくための手立てについて提言を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では,令和5年度に「協働的な音楽学習場面における課題発見のための調査およびデータ分析」を実施することとしており,この計画の通り研究成果を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在,大学生のリコーダー練習場面における発話の分析を進めており,令和6年7月にヘルシンキで開催される国際学会での成果発表を予定している。また,令和5年度の研究であきらかとなった課題に基づき,授業改善のための方策について検討し,その効果について検証する予定である。
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