研究課題/領域番号 |
23K02170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
吉田 重和 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (30549233)
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研究分担者 |
日暮 トモ子 日本大学, 文理学部, 教授 (70564904)
鴨川 明子 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40386545)
佐藤 裕紀 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60734001)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | メンター / メンタリング / 教員研修 / 教員養成 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、教育実習及び初任者研修におけるメンターの選定や支援、育成に必要な要素について、比較教育研究の見地から明らかにすることを目的とする。具体的には、(1)日本を含むアジア・ヨーロッパ6か国における教員のメンタリング体制の特徴を、メンターの選定や支援、育成に焦点を当てて分析・抽出した後、(2)分析・抽出した特徴に基づき、各国のメンタリング体制の類型化をした上で、教員の職能形成に効果的なモデルを提示する。本研究により、教員の職能成長過程において重要な役割を担うメンターに関する特徴や課題が明確になるとともに、教員の学びや成長を支援する体制づくりについて、新たな手がかりを得ることができる。
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研究実績の概要 |
本研究は、教育実習及び初任者研修におけるメンターの選定や支援、育成に必要な要素について、比較教育研究の見地から明らかにすることを目的としている。具体的には、(1)アジア・ヨーロッパ6か国における教員のメンタリング体制の特徴を、メンターの選定や支援、育成に焦点を当てて分析・抽出した後、(2)分析・抽出した特徴に基づき、各国のメンタリング体制の類型化をした上で、教員の職能形成に効果的なモデルを提示する。本研究により、教員の職能成長過程において重要な役割を担うメンターに関する特徴や課題が明確になるとともに、教員の学びや成長を支援する体制づくりについて、新たな手がかりを得ることが期待される。 2023年度は、研究者間で情報共有や意見交換を図りながら、上記(1)に着手し研究基盤の構築を図った。各国のメンタリング体制に関する基礎情報のほか、UNESCO(2021)「教員研修プログラムの国際標準教育分類(The International Standard Classification of Teacher Training Programmes;ISCED-T 2021)」を含め、関連領域の国際的な動向の把握に努めた。結果として、オランダにおける教員のメンタリング体制について、支援側であるメンティを省察的にするという目標が共有されていることや、デンマークにおいて、困難を抱える初任者を支える仕組みの構築が求められている状況が確認された。またマレーシアにおいて、2012年に開始された学校ベースのメンタリング・プログラム(New Teacher Development Programme;PPGB)の効果が実証的に検討され始めていることや、中国では、2035年までに教員全体の資質向上に向けた体制づくりが目指されている中で、各地で新任教員の育成モデルの構築が検討されている状況が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、教育実習及び初任者研修におけるメンター(指導教員)の在り方に着目し、比較教育研究の見地から、メンターの選定や支援、育成に必要な要素を明らかにすることを目的として、次の3つの研究課題を設定している。 第1に、先行研究を幅広く収集し、批判的に分析することで研究基盤の構築を図る。その後、比較教育研究の見地から、日本を含む各国の教育実習及び初任者研修におけるメンターを特定し、国・地方・教育機関の各レベルにおけるメンターの選定やメンターへの支援状況について、制度面を中心に分析する。第2に各国におけるメンターの育成状況について分析し、メンターの資質や経験に基づく学習、メンター自身の教員としての成長という観点からこれを考察する。第3に歴史的・社会的・制度的状況を踏まえメンターの在り方について各国の特質を考察し、教員の職能成長にとって効果的なメンタリング体制の類型化を試みる。 研究初年度である2023年度は、上記研究課題の第1として、オランダ、デンマーク、マレーシア、中国におけるメンタリング制度について、基礎的な情報を収集し、比較検討の準備を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は大きく4段階に分けられる。2023年度は、その第1段階として、教員のメンタリングを中心に国内外の先行研究を収集し、各国の教育政策や理念を整理・分析して研究基盤の構築を図るとともに、国際的な研究動向を把握することができた。 2024年度は、研究の第2段階として、各国の教育実習及び初任者研修におけるメンターを特定した上で、メンターの選定・支援状況の分析を進める。国・地方・教育機関の状況を法制度的な側面から分析するとともに、地方レベルもしくは教育機関レベルでのメンターの選定・支援状況の実態について、インタビュー調査の手法をもって明らかにする。2025年度以降は、第2段階と並行して第3段階の作業を進め、各国のメンターの育成状況について、メンター自身の成長やキャリアにも視点を据え、調査・考察を進める。さらに第4段階では、メンターの在り方に関する各国の特質を類型化した上で、教員の職能形成に効果的なメンタリングのモデル化を試みる。なお日本の状況については、教育機関の協力を得て教員の実態と照合し、事例に基づき妥当性を検証する。 これらの作業により、教育実習及び初任者研修においてメンターを務める指導教員の在り方や、教員の学びや成長を支援する体制づくりについて、具体的な手がかりを得ることができる。
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