研究課題/領域番号 |
23K02181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高沼 理恵 金沢大学, 融合科学系, 助教 (50865904)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 社会正義のキャリアカウンセリング / キャリアカウンセリングへの期待 / 多文化キャリアカウンセリング / アジア圏 / 多文化カウンセリング / 社会正義 / 外国人留学生 / キャリアカウンセリング / カウンセリングコンピテンシー |
研究開始時の研究の概要 |
外国人留学生の日本企業就職及び企業内活用の促進は、日本経済のイノベーション創出における重要課題である。しかしその就職率は向上せず、企業・留学生双方に不利益な状態である。本研究は、研究蓄積は乏しいものの、留学生の就職率向上に寄与しうる重要な存在である国家資格キャリアコンサルタントに着目し、留学生への適切かつ有効なキャリアカウンセリングに向けた知識・スキル・コンピテンスの体系的な整理を試みる。日本人大学生と留学生に対するキャリアカウンセリングの差異を明らかにした上で、日本では議論の少ない多文化・社会正義のキャリアカウンセリングという観点から、その遂行に必要なものを混合研究法にて明らかにする。
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研究実績の概要 |
初年度(2023年)はキャリアカウンセリングに対する期待に関する海外の先行研究調査およびレビューを実施した。さらに、大学(院)卒業(修了)後に日本で就職予定の日本人学生・中国人学生を対象に、主に2つの調査を実施した。①キャリアの概念およびキャリアカウンセリングに対するイメージや期待に関する質的調査、②海外で開発されたキャリアカウンセリングに対する期待に関する尺度の予備的調査である。なお、外国人留学生のサンプルとして、日本で就職予定の中国人留学生に対象を絞った理由は、日本政府が外国人留学生に対し日本国内での就職を促進していること、その国籍内訳の比率は中国人留学生が最も高いことからである。先行研究調査の結果については今後雑誌論文として投稿予定であるため、ここでは調査結果について記載する。日本人学生が持つキャリアの概念は、ワークキャリアのみならずライフキャリアを包含するものであるが、中国人留学生が持つキャリアの概念はワークキャリアに関するものであり、人口が多いがゆえに雇用市場における求職者の競争が激しいこと、日本で就職できなかった場合のプレッシャーも語られた。キャリアコンサルティングに関するイメージおよび期待では、日本人学生からはライフキャリアの支援という観点が挙げられたが、中国人留学生からは外国での就職活動にまつわる具体的な支援やメンタルケアへの期待が挙がった。さらに、プライバシーへの懸念が表明された。また、双方の学生からキャリアカウンセラーの専門性への疑義が表明された。国外で議論されている多文化キャリアカウンセリングという観点では、中国人留学生からは日本と中国の就職活動のスタイルの違いへの言及はあったものの、「同じアジア人でしょ?」と言った発言等、欧米圏におけるアジア系ではなく、アジア圏におけるアジア系という観点での多文化性を検討する必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、2023年度は①日本人学生・留学生を対象とした調査の実施、②キャリアカウンセラーへの予備的調査の実施を予定していたが、実際には①の調査の実施(日本人学生・留学生を対象とした調査)のみの実施となった。その分、海外文献調査や①の調査にて得られた知見に関しては、素早く国内外における学会発表および論文投稿を行い、国内外の識者からフィードバックを得ることが出来た。また、欧米圏におけるアジア系ではなく、アジア圏におけるアジア系という観点での多文化性を検討する必要があることが示唆され、この課題に取り組むことは国際的な学術成果への足掛かりとなる可能性が高まった。そのため、進捗としては「やや遅れている」という自己評価とする。 ②の実施に至らなかった原因として、①に関して予想外に時間がかかったことが挙げられる。当初は自由記述アンケートでの実施を予定していたが、予備調査においてあまり深い回答を得られなかった。そのため、深い認知構造理解を可能にするPAC分析および自由記述アンケート票にもとづいた半構造化インタビュー調査に切り替えた。 その分、データ作成(インタビュー内容の書き起こし)および分析(質的データ分析ソフトの利用)に想定以上の時間がかかった。また、研究計画調書には明記していなかった、キャリアカウンセリングに対する期待に関する海外文献調査に予想以上の時間がかかり、後者の実施に至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度後半に実施予定であったキャリアカウンセラー側に対する探索的調査が未実施であるため、今年度はキャリアカウンセラー側の探索的調査を実施する。 2023年度は日本での就職を希望する学生を対象とした調査を行ったため、日本での就職を希望しない学生に対する調査を実施する。また、対象を留学生の総数が多い中国人留学生に絞ったため、その他アジア諸国からの留学生の調査も実施予定である。 アジア圏におけるアジア系というテーマに取り組むために、多文化キャリアカウンセリングに関する議論のみならず、北米圏におけるアジア系がどのように語られてきたのかという文献調査も実施する必要がある。更に論点を明確にし、どのような国際的な学術貢献に繋げられうるかを検討する。
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