| 研究課題/領域番号 |
23K02212
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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| 研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
藤村 正司 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (40181391)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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| キーワード | 行政評価 / 新公共管理(NPM) / 財務諸表 / 階層線型分析 / 国立大学法人 / 運営費交付金 / 主人・代理人論 / 成果連動型評価 / 主人・代理人関係 |
| 研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降の欧米の高等教育改革はNPM理論に基づき、大学側に業務を委ねる「間接統治」が適用された。わが国では法人化初期に大学間格差や法人制度曖昧性が懸念されていたが、法人化第3期まで経験したことは、NPM本来の趣旨と異なり、運営費交付金に対する財務統制とコンプライアンスが強化されたことである。社会学的新度主義の言う「強制的同型化」に他ならない。本研究では、法人化後に大学本部はどのような方針で学内の資源配分を行っているのか、コンプライアンスが教員の研究生産性にどのような影響をもたらしているのか、そして認証・法人評価と部局の業務との間に「脱連結」が作動しているのか否かを検証する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、法人化4期を迎えた国立大学に対する「行政評価」研究により、政策立案と運用の妥当性を反省的に検証することを目的とする。令和24年度は研究計画に従って、『財務諸表』(損益計算書)2005年~2021年度までの国立86大学のパネルデータを作成し、歳入と歳出の推移を箱ヒゲ図で可視化した。次いで、86大学のパネルデータによって個体(機関)内の変化を明らかにするために、一次レベルの「年数」を階層線型モデルに組み入れた。 明らかになったことは、以下の4点である。 第1は、国立大学は法人化の枠組みのなかで国の高等教育政策や財政的なマクロショックに対応しつつ、運営費交付金のみならず外部資金収益で人件費を工面し、外部資金収益の獲得を目指し、教育・研究活動による収益を上げてきたことである。 第2は、国立大学の財政的に切迫していることである。このことは、教育経費が運営費交付金だけで賄えず、外部資金に依存するようになっていること、研究経費も運営費交付金ではなく、外部資金収益で工面するようになっている。 第3は、運営費交付金は外部資金収益に、外部資金収益は教職員人件費に対して主効果とは別に、「年数」とのレベル間交互作用による追加的・増幅効果をもっていることである。 第4に、変量効果において係数分散と切片分散の間に統計的に有意な負の共分散が観察されることである。法人化後の大学の初期条件と変化の速度には個体差があり、初期値の切片と「年数」の傾きの共分散がマイナスで有意になる。初期値の高い大学ほど変化のスピードは遅くなり、低い大学ほど急速に増加するため全体でみると収斂するパターンである。しかし、なぜ収斂志向が生まれるのか、そのパターンを志向したのは政府なのか、それとも個別大学なのかは、今後の分析課題とした。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
国立大学86法人財務諸表の2004年度から2022年度までのパネルデータを作成し、経常収益と経常経費の機関レベルと機関内変動を一次レベルとする固定効果モデルで検証するデータベースが完成している。この内、2005年から国立大学会計基準の改訂前の2021年の17年のパネルデータを用いて、時間変数を組み込んだ経常経費に及ぼす経常収益の固定効果を計測し、学術論文にまとめることができた。 また、全国の国立大学に勤務する大学教授を対象に、教育・研究志向性、仕事時間(教育、研究、管理運営、社会サービス)、研究困難度の経験と要因、資源配分(校費と科研費)、論文生産性、アイデンティティ(専門分野、学科、学部、勤務大学への忠誠度)、そして法人化に対する評価を尋ねたアンケートを2024年12月に等間隔抽出で4,000人に配布し、2025年3月末現在で965名を回収した(有効回収率24%)。個票データのクリーニングを終えて統計分析が行える状態である。以上からおおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度の研究推進方策として、研究計画を若干修正し、以下の3点の研究を推進する。 ①理論研究では「官邸主導型」高等教育政策の流れで1990年代の行政学と政治学の知見を参考にして、法人化の背景と運営費交付金の変貌の背景を新たに読み解く作業を行う。官邸主導ないし内閣府の強化については、近年の行政学や政治学の蓄積があり、これまで法人化を説明してきた経済学的新制度主義(主人・代理人論)や新公共管理(NPM)による説明を肉付ける。 ②財務データを解釈するための非財務データの収集である。これについては、各国立大学法人が開示する事業報告書や決算報告書を想定している。また、令和4年からセグメント別データの開示により、パネルデータとしては蓄積は少ないが、同一大学内部の部局単位で歳入と歳出の関係や同一学部について大学間比較を行う。 ③2024年度の実施した教授職アンケートの統計分析に取りかかる。大きく二つの分析を行う。一つは、教員の論文生産性を負の二項分布に当てはめ、規定要因分析である。これについては、これまでの科研費で収集した個票データを追加することでサンプル数が6,000件のデータベースが得られることから校費と科研費によるデュアル・サポートが維持されているのか精度の高い検証が可能になる。今一つは、法人化に対する主観的評価について構造方程式モデリングによる連関分析を行う予定である。
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