研究課題/領域番号 |
23K02216
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
上別府 隆男 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (50350707)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | トランスナショナル高等教育 / 国際共同大学 / ドイツ / 日本 / エジプト / トルコ / ベトナム / マレーシア / パンデミック |
研究開始時の研究の概要 |
トランスナショナル高等教育のうち国際共同大学に着目し、高等教育モデルの「輸出」とパンデミックによる制約という2つの側面における持続性を探ることを目的とする。提供国・受入国双方が「共同」で設置・運営することを特徴とする独立した高等教育機関である国際共同大学は、実質は提供国がその高等教育モデルを受入国に「輸出」するスキームであるが、その存続は必ずしも保証される訳ではない。同時に、現在のパンデミックは国際的移動を要素とするトランスナショナル高等教育に様々な変容を迫ってきたが、国際共同大学の場合にはピンチをチャンスに変えたケースもあり、新たな意味・レベルでの持続的モデルの構築が求められている。
|
研究実績の概要 |
本研究は、トランスナショナル高等教育(TNHE)のうち国際共同大学に着目し、高等教育モデルの「輸出」とパンデミックによる制約という2つの側面における持続性を探ることを目的とする。初年度の今年度は、エジプトの国際共同大学、また、比較目的で、TNHEの形態の1つである海外分校設置・運営で活発なオーストラリアの大学、国際化を進める台湾の大学、大分県の国際的大学で調査を行った。また、本研究に関する発表を、国内学会で1件、国際学会で2件行った。 海外調査の主な成果は以下のとおり。 ①台湾では4大学及び日本台湾交流協会台北事務所においてヒアリング及び資料収集を行った。台湾の大学の海外での分校設置、台湾政府支援の海外での大学設置、海外大学の台湾での分校設置は、これまで検討されてきたものの実現に至っていないこと、台湾への留学生の多くを占めてきた中国人留学生は現台湾政権が誕生した2016年以降中国政府が派遣を停止したため現在ほぼゼロになっていること、などが分かった。 ②エジプトではエジプト・日本科学技術大学及びドイツ・カイロ大学の管理者、日本研究者、NGOなどを対象に2回目調査を行い、エジプトの高等教育の課題につき異なる視点からの示唆を得、エジプトにおけるTNHEの位置づけに関する情報やデータを得た。 ③オーストラリアでは、メルボルンとパースに位置する6大学で行ったヒアリングにおいて、トランスナショナル教育(TNE)で世界を主導するオーストラリアのTNEの特徴と動向を把握した。同国のTNEは、ソフト面・ハード面の両方を伴う海外分校とソフト面のみのTNEパートナーシップのどちらかに分かれ、前者は大学の世界でのプレゼンスを高めるものの、後者よりリスクを抱えること、持続可能性からすれば後者を選択する大学が多い、ということが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従い、エジプトの国際共同大学、トランスナショナル高等教育の形態の1つである海外分校設置・運営で活発なオーストラリアの大学、国際化を進める台湾の大学、大分県の国際的大学での調査から多くの知見を得た。また学会発表も行った。
|
今後の研究の推進方策 |
①ドイツと日本のトランスナショナル高等教育・国際共同大学戦略・実践に関する最新のデータ収集と分析(ボン・ベルリン、東京・大阪・名古屋、その他参考となる国々)、②現地調査と分析(カイロ・アレキサンドリア、イスタンブール・アンカラ、クアラルンプール、マスカット)、③3~4年目:提供国の高等教育モデルの輸出とパンデミックによる制約という国際共同大学の2面における持続性の分析と持続的モデル構築、④2~3年目:研究成果中間発表、⑤4年目:研究成果発表・論文化
|