研究課題/領域番号 |
23K02223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
畝川 憲之 近畿大学, 国際学部, 教授 (10388332)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フィジー / 教育制度 / 民族 / 民族分離 / 植民地 / イギリス / 独立 / 植民地政策 / 植民地遺制 |
研究開始時の研究の概要 |
フィジーでは、国民統合の達成が独立以来の最大の課題となっている。しかし、国民統合は進んでおらず、その大きな要因の一つが、宗教および民族ごとに分離している初等教育の構造にある。フィジー独立以前における教育制度と国民統合の関係性に関する研究が欠落しており、フィジーの国民統合研究の発展には、これらのギャップを埋めることが必要不可欠となっている。そこで、本研究では、独立以前に焦点を当て、イギリス、植民地政府およびフィジー社会(諸民族)が民族アイデンティティ、国民アイデンティティをどのように捉えていたのか、それぞれの国民統合観を明らかにすることを通して、民族別教育制度の形成・固定化過程の検証を行う。
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研究実績の概要 |
フィジーでは、国民統合の達成が独立以来の最大の課題となっている。しかし、民族間の潜在的な緊張関係は続いており、国民統合が大きく前進しているとは言えない。その大きな要因の一つが、宗教および民族ごとに分離している初等教育の構造にある。本研究では独立以前に焦点を当て、イギリス、植民地政府およびフィジー社会(諸民族)が民族アイデンティティ、国民アイデンティティをどのように捉えていたのか、それぞれの国民統合観を明らかにすることを通して、民族別教育制度の形成・固定化過程の検証を行う。 本年度(令和5年度)の研究実績は以下の4点となる。①令和6年3月にフィジーで現地調査を行い、教育省役人へのインタビュー、フィジー国立公文書館での資料検索・整理を行った。次回調査時にさらに文献調査を進め、すべての必要資料(主に公文書)を持ち帰る予定である。その後、資料の精査に入る。②フィジー・イギリス両国において、研究協力者に依頼をし、フィジー独立過程における両国の関係者の探索を行っている。③民族別教育制度の形成・固定化の背景にあるイギリス、植民地政府、フィジー社会(諸民族)の国民統合観を核心から追究するためには、イギリスの脱植民地化プロセス(第二次大戦後のイギリス国内の政治経済状況およびイギリスを取り巻く国際環境)、フィジーの伝統的社会制度といった視点からの分析が必要となる。これら各点に関する文献調査・研究(主に出版書籍を対象)を行った。翌年度以降も引き続き文献研究を行う。④関係機関および関係者へのインタビューの実施、また資料提供を受けるために、教育省次官などと面談を行い、同次官より研究許可証が発給された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り1回目の現地調査を行い、教育省役人へのインタビュー、フィジー国立公文書館において資料調査を行った。公文書館に想定以上の資料が存在し、滞在中にすべての資料の分別・整理が完了しなかった。しかし、次回以降の調査で終了可能であるため、研究の大きな遅れとはならないと考える。 イギリスの脱植民地化プロセスおよびフィジーの伝統的社会制度に関する文献調査・研究は当初の予定通り進んでおり、両視点に関する知見が広がりつつある。引き続き先行文献研究を行っていく。 独立後約55年が経過しており、フィジー独立過程における両国関係者の探索が難航してる。関係者の発見に至らない場合は、公文書などの精査である程度カバーできるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、再度フィジーでの調査を予定している。植民地期の教育制度をめぐるすべての必要資料(主に公文書)を整理し、帰国後に資料の精査に入る。資料分析を通して、欠落している部分をあぶり出し、令和7年度実施予定のイギリス公文書館での調査へ向けて必要公文書リストの作成を行う。また、引き続きフィジー独立過程におけるフィジー政府関係者の探索を行い、フィジー現地調査時のインタビュー実施を目指す。 イギリスの脱植民地化プロセスおよびフィジーの伝統的社会制度に関する文献調査・研究は、引き続き行っていく。
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